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かばくん
「かばくん」
岸田衿子 文
中谷千代子 絵
福音館書店
いよいよ夏休み。
動物園に出かける方もあるかもしれませんね。
今回紹介するのは、動物園に暮らす”かば”を描いた絵本です。
赤い表紙が目を引く1冊。
浜松市立図書館で乳幼児おすすめリストに入っていてどこの図書館にも置かれているのでご存知の方も多いかもしれません。
表紙ばかりでなく中のページも全て、中谷氏の絵が見開きの大画面に彩られています。
「どうぶつえんにあさがきた」ところから「どうぶつえんによるがきた」ところまでお寝坊さんのかばくんと、亀を連れてやってきた男の子それぞれの視点での言葉が岸田氏によって詩のようにつづられています。
先日小学1年生の読み聞かせにこの本を使ったところページをめくるたびに「わっ」という反応がありました。
一見地味に見えますが、遠目でも良く見える絵のようです。
引き付ける絵があったら、言葉は少なくても子どもはちゃんとお話の世界へ飛んでいけるんですね。
ちなみに、この本には下駄の子どもが登場します。奥付によると1962年に世の中に出たのだそうです。それから版を重ねて2005年現在で第100刷。でも、何故か古びないんですよ。
昔どこかの勉強会で聞いた「読み聞かせには成人式を迎えた本(=発行から20年以上経ったもの)を選ぶと良い」という話を思い出しました。この本に関してはまさにその通りなのかもしれません。
何ということのない絵本ですが、子どもに安心感の与えられる1冊のような気がして今回紹介することにしました。
ぜひお近くの図書館で手にとってお子さんと一緒に味わってみてください。
文/福田真理子さん