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わたしとあそんで
この絵本の主人公の女の子は、草に露が光る気持ちの良い朝、はらっぱへ遊びに出かけます。
ばった、かえる、かめ、りす、かけす(鳥)、うさぎ、へび、と女の子は見つけた動物たちに「あそびましょ。」とかけ寄ったり、つかまえようとしたりしますが、皆に逃げられてしまいます。
ひとりになった女の子が池の近くの石に音をたてずにこしかけていると、やがて動物たちが戻ってきます。女の子がそのまま音をたてずに静かにしていると、もう誰もこわがって逃げたりしませんでした。そこにシカの赤ちゃんが近づいてきて・・・。
わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
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マリー・ホール・エッツ
福音館書店
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幼い頃、小動物に近づいて、逃げられてしまう経験は多くの方が持っているのではないでしょうか?そんな日常的な出来事を通して、自然や他者とのふれ合いに心動かされる喜びが感じられる絵本です。
動物に囲まれている場面での「わたしは いま とっても うれしいの。とびきり うれしいの」という女の子の言葉に、読んでいるこちらまで、思わず幸せな気持ちに満たされます。最後のページでは、女の子は豆粒のような後姿が描かれているのみ。文章もないこのページを見ていた3歳の子が「喜んでるね~。」と言ったというエピソードをある方から伺った時、幼い子にも(幼い子だからこそ)、幸福感がしっかり伝っているんだな、と実感しました。
“自然にふれて、その美しさや不思議さに驚き、心動かされる感性”、まさにセンスオブワンダーを育ててくれる絵本の1冊に数えたい作品です。
文/浜松市立中央図書館 鈴木早苗さん