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マドレーヌといぬ

パリのつたのからんだあるふるいやしきに、12にんのおんなのこがくらしていました・・・と始まれば、そう、以前この欄で紹介されていた「げんきなマドレーヌ」、寄宿学校に暮らす女の子たちと先生のミス・クラベルの愉快でおしゃれな絵本ですね。これはその続編です。12人の女の子のうち一番のおちびさんのマドレーヌが今回も大活躍しますが、そのマドレーヌを上回る魅力を振りまくのが、犬のジュヌビーブです。

マドレーヌといぬ (世界傑作絵本シリーズ)
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マドレーヌは元気いっぱい、いつもの散歩にでかけます。すると、ほかの11人はきちんと整列して歩くのに、マドレーヌは橋の欄干の上を伝い歩き。とうとうすべって河へ落ちてしまい、危機一髪!そのとき、河に飛び込んでマドレーヌを助けたのが一匹の犬でした。女の子たちはその犬をつれて帰りますが、その晩は、だれが犬と寝るかで一騒動。聞き手の子どもたちも似たような経験があるのでしょう。この場面でちょっぴり口元が緩みます。

みんなはその犬をジュヌビエーブと名付け、一緒に寝たり、歌をうたったり、散歩に出かけたりと楽しい日々を過ごしますが、やがて試練の時が訪れます。

寄宿学校の評議員の立ち入り検査の日に、ジュヌビエーブは見つかってしまい、追い出されてしまいます。このときの我らがマドレーヌのカッコイイことと言ったら!マドレーヌは椅子に飛び乗り(この「椅子に飛び乗り」がいかにもマドレーヌらしいですね!)、委員長に向かってこう言い放つのです。

「いいんちょうどの!おぼえていなさい。ジュヌビエーブほど、えらいいぬはないわ。あなたには、てんばつがくだりますから!」聞き手は思わず喝采を叫びたくなります。

ミス・クラベルと女の子たちは、ジュヌビエーブを連れ戻すために探し回りますが、いくらさがしても見つかりません。真夜中になってようやく、ジュヌビーブが戻ってきます。ところが、だれがジュヌビエーブと寝るかで、またまた大騒ぎです。そして、さらなる驚きの結末が待っていました。何とジュヌビエーブはちょうど女の子たちと同じ数だけ子犬を産んだのです。

子どもたちはマドレーヌと一緒に、ジュヌビエーブと楽しい時を過ごし、わからずやの委員長に怒りを覚え、ジュヌビエーブがいなくなった時の喪失感を味わいます。そして12匹の子犬たちの誕生に深い満足感を得るのです。

マドレーヌが主人公の絵本は他に「マドレーヌといたずらっこ」「マドレーヌとジプシー」がありますが、4作品のなかではやはり「げんきなマドレーヌ」とこの作品が群をぬいてよくできており、子どもたちの人気もまたこの2作品に集中しています。

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