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ぼく、あぶらぜみ
「夏の昆虫は何?」と子どもたちに聞くと、大体「カブトムシ、クワガタ」という答えが返って来ます。えー、セミをお忘れではないですか。わざわざ会いに行かなくても、ペットショップなどで買わなくても、夏の間早朝から存在をアピールする虫がいるではありませんか。
ぼく、あぶらぜみ (かがくのとも絵本)
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得田 之久 たかはし きよし
福音館書店
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そんな身近な虫なのですが、カブトムシやクワガタの様に幼虫から育てたりする事ができないのでその生態はなかなか知られていません。どんなふうに生まれ、どんなふうに成長していくか知らない事が沢山有ります。夏になるといつの間にかいて、夏が終わるといつの間にかいなくなる。考えてみるとちょっと不思議な虫なんです。
この本はあぶらぜみ自身が産まれてから成虫になるまでを説明してくれるので、虫が苦手なお子さんでも知らず知らずのうちにあぶらぜみの話に引き込まれて行きます。今まで何となくしか知らなかったあぶらぜみの生態をドキドキしながら読み続け、興味は深まるばかりです。絵は貼り絵の様になっていて、それが線だけで描かれているのとは違い質感が有ってより実物を感じさせてくれます。羽化する場面は特に圧巻で、まるで本物を見ている様です。そして、まるで本を読んでいる自分があぶらぜみになって殻を破って成虫になる様な臨場感たっぷりな感覚を味わう事ができます。開いた2ページ分をたっぷり使って描かれた絵は迫力とわかりやすさを兼ね備えています。絵と文がお互いを引き立てあっていて圧倒されます。
夏の訪れを知らせてくれて、暑い夏の間ずっと一緒に居てくれて賑やかに鳴いて夏を盛り上げてくれるせみ、そのせみの中でも代表的なあぶらぜみをお子さんはきっと興味をもって大好きになってくれるはずです。