子連れでおでかけ
子育てのヒント
特集記事
子育てのヒントを検索
子どもと星空を楽しもう2022冬~冬の星座のスター「オリオン座」~
いろいろ見立てて子どもと遊ぼう
オリオン座といえば、誰しも聞き覚えはあると思います。天文台での星空観望会でも「オリオン座なら、わかります!」という参加者が多いです。実際の星空でも爛々と輝く姿はまさに冬の星座のスターと言えます。
2月の間は19時~21時南の夜空に輝きますので、お子さんも見やすい時間帯。まずはキラキラな星空を「わぁきれい!」と見上げながら、神話の世界に浸りましょう。
2月 19時~21時 南の夜空に輝くオリオン座
オリオンの逸話
猟師オリオンは、海の神ポセイドンの息子。少し乱暴なところはありましたが、背が高くハンサムで腕のいい猟師でした。
ある日、仲間たちとさんざん酒を飲んで上機嫌になったオリオンは、つい「天下に俺ほど腕のいい猟師はいないさ。どんな動物でも仕留められる」と自慢してしまいます。それを聞いた神々は激怒。中でも大地の神ガイアは「私が与えているから、その獲物が捕れることを分かっていない。思い上がりも甚だしい」と怒り、「オリオンを刺して殺してしまいなさい」と1匹のサソリに命令します。サソリは静かにオリオンに忍び寄り、猛毒の針を一刺し。さすがのオリオンもサソリの毒にはかなわず息絶えてしまいました。
サソリは、この手柄によって、さそり座に。オリオンも星座になりましたが、さそり座が昇ってくると、そそくさと西の地平線に沈み、さそり座が沈むのをまって、東の空へ昇ってくるのは、このときの出来事が理由だとか。
※オリオン座の神話は、諸説あります。アルテミスとの悲恋の話も私は好きです。
見立てて遊ぼう
このオリオン座はよく目立ち、その独特の星並びについて古くから日本でもいろいろなものに見立てられてきました。
☆オリオン四つ星いろいろ
「豪傑オリオン」の神話から男性のイメージが強いと思いますが、三ツ星の部分を「くびれ」と見ると、ワンピースを着た女性のシルエットに見えてきます。お子さんたちにはプリキュアがイメージに合うでしょうか。生活の中でこの形を見たてると、「砂時計」、「チョウチョ」や、浜松らしく「凧」。おもしろいのは「布団」で、三ッ星の少し下のある滲んだところが「おねしょ」と見立てるものです。
男性
女性
たこ星
砂時計
チョウチョ
ふとん星とおねしょ
☆オリオン三ッ星いろいろ
三つの星がきれいに等間隔に横並び。通称「三ツ星(みつぼし)」です。オリオン座の中心にあって小さい子にも目に留まりやすいと思います。静岡地方を中心に広く「みつぼしさま」と呼ばれていましたが、「竹の節」「そろばん星」「だんご星」などもあります。
小学中~高学年の皆さんには、もうちょっとレベルアップ。三ツ星の真下に、縦に並んだ小さな三ッ星が並んでいるのが見えるでしょうか。「小三ツ星(こみつぼし)」と言われる星並びです。古くは三ッ星の「おとも」星、「こども」星、おもしろいのは「まね」星です。三ッ星のまねをしていると見たようです。
さて、みなさん、いかがでしょうか。
文/浜松市天文台 鈴木 謙誌