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パリから被災地の子どもたちへ
3月11日に発生してから9か月を経過した東日本大震災。この間、日本のみならず、世界各地からも、被災地に向けたさまざまな支援やアクションがなされてきました。
その中で、フランスの子どもたちから被災地のこどもたちにメッセージを込めた絵本を送る「プロジェクト・みらい」をご紹介します。
「東北まで行ける方法や手段を持たないが、何かできることはないか」こう考えたパリ市サンジェルマン・デ・プレ地区に住む有志が集まり、絵本「みらい~はねをひろげて」(写真)を制作しました。
この絵本は、フランスの子どもたちから被災地の子どもたちへのメッセージカードの役割を持っています。
絵本を開くと、フランスの子どもたち自身が考えた「きぼうのことば」(日本語訳つき)、子どもたちが笑いかける写真、そしてパリ在住の賛同アーティストによる絵や文章などがおさめられています。そして、最後のページには、この本を受け取る被災地の子どもの名前を書き込むための欄があります。
つまり、この絵本は、「直接被災地の子どもたちに、その子の名前を書きこんで手渡す」ということを大切にしているのです。
この1冊の絵本には、笑顔をくれた子ども、言葉を考えてくれた子ども、支援として買い上げてくれた子ども(の親)などの他、さまざまな形で制作に協力した300人以上の人が参加しました。
これまで、現地に赴いたボランティアなどの手により、約50部あまりを宮城県女川街、福島県南相馬市など被災地の子どもたちに届けることができたそうです。ですが、プロジェクトに携わる人のほとんどがフランス在住であるため、絵本を子どもたちに渡してくれる人を募集しているそうです。
今後、被災地を訪れる予定があって、絵本「みらい~はねをひろげて」を被災地の子どもたちに手渡すことが可能であり、このプロジェクトの主旨に賛同する団体・個人・企業の方は、ぜひ「プロジェクト・みらい」にコンタクトしてみてはいかがでしょうか。
<問い合せ先>
プロジェクト・みらい
代表 田部 美佐子さん
prjmilai@gmail.com
(※プロジェクト事務局の了承を得て掲載しています。代表の方は日本人なので、日本語でどうぞ)
最後に、このプロジェクト賛同者のひとりである言語学者 大久保朝憲氏によるメッセージ(抜粋)を。
「とおくでおこったかなしいできごとのただなかにいるひとに、ぼくたちはいったいな
にができるだろう。どうせなにもできない、とおすぎる。あきらめる理由はいくつでも
みつけられる。できるかもしれないことをさがす。だめかもしれないけど、やってみる。
おもいだして。それ、ぼくたちがずっとやってきたこと。たしかめられないけど、きっ
といけるとおもってつづけること。「希望」をもつこと。
こえをだすこと、きみにことばをかけること、かけつづけるのをやめないこと。きみ
のことをきょうもかんがえた。想像した。ぼくはこんなにとおくにいるけれど、それで
もかんがえた。かんがえたことをことばにしてみた。つたわらないかもしれない。いや、
きっとつたわる。そう信じることで、ひとは、「人間」になったんだから。
きみのかなしみ、きみのくるしみ、きみのよろこび、きみのえがおのそばに、ぼくは
いたいとおもっている。おもいつづけている。」