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『復興の書店』

東日本大震災の際には、家屋だけではなく、商店や会社のビルなども、多くの被害をうけました。商店などの場合は、店主に再建の問題が立ちはだかります。

その中でもこの本は、書店の再建のドキュメンタリーです。岩手、宮城、福島の3県では、書店の約9割が被災したそうです。
さて、みなさんは、書籍は被災後の生活の中で必要だと考えますか?大災害が起こってすぐは、水や食料もままならず、生命を維持していくために必要なものが最優先となります。発災後3~4日経つとやっと支援物資が届くようになり、避難所生活を継続する人と、自宅に戻る人が出て来ます。避難所では、ルールなどが決められ、水や食料の供給がスムーズになっていくと、それ以外に必要なものなどが要望としてあげられるようになっていきます。東日本大震災後、そのような状況の避難所で、わずかでも本や雑誌などが置かれているのを見た出版取次会社である中央社の斉藤さんは気づきます。「ここでは本が必要とされているんだ」と。

ただでさえ、やめてしまう書店が多い中、被災し、さまざまな事情を抱えながらも、必死で再建しようとする書店の思いと、書店や書籍を求める人の思いに打たれます。震災の後に良く求められる書籍にも傾向があるということも、おもしろかったです。その傾向を聞くと、発災後、被災者たちの経験した背景が想像できます。
災害の後、数日間という短期間で考えても、復興するまでの長期間で考えても、書店や書籍には、そこにいる人たちを救うための役割があり、力があるのだということを感じます。

(わかば)

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