ステロイド剤は使わない方がいいとか、副作用があるとか聞くと、使うのが心配になってしまいます。本当に怖いものなのでしょうか。


塗り薬のステロイド剤に対する質問であると思われますので、それについてお答えします。ステロイド剤はよく「諸刃の剣」に例えられますが、効果も大きい反面、副作用もあるお薬ではあります。確かに長期に内服すると副作用を心配しなければならないこともありますが、しかし外用剤に限っていえばそんなに恐れるものではありません。ステロイドの塗り薬には強いものから弱いものまで5つのランクがあります。皮膚の部位、症状に合わせて使えば、とても切れ味の良いお薬です。ステロイドの塗り薬を消火器に例えると、火事で火がぼうぼう燃えているときに、ちょろちょろと水をかけても全く意味がないように、アトピー等でひどい湿疹が出ているときに、弱いランクのステロイドを使っても、皮膚症状はよくなりません。症状がひどいときには、強いランクのステロイドを使い、一気に鎮火させ、よくなってきたら、徐々に弱いランクに落としていき、最終的には保湿剤で管理できるところまでもっていきます。ステロイドはうまく使いこなせば、とても頼りにできるお薬です。皮膚萎縮、血管拡張、多毛などの副作用も通常の使用量ではめったに起こることはありません。いたずらにステロイドを恐れることなく、医師と相談しながら、上手に使ってください。