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ママの健康について
妊娠中、子育て中のみなさん、こんにちは。保健師の鈴木裕之です。
日ごろ赤ちゃん訪問ではお母さんの出産前後の体調を聞かせていただくのですが、「大きな病気はしたことがないけれど貧血で・・・」といった声を耳にします。妊娠中や出産後は貧血になる方が多い中、「病気」としての意識は薄いように感じます。お子さんの健康第一で、お母さん自身の健康を後回しに考えていませんか?お母さんの体の理解のためにも、ぜひお父さんやご家族と一緒に読んでみてください。
☆わたし昔から貧血なの・・・
貧血は女性に多いと言われていますが、その理由は生理や出産による出血、妊娠期・授乳期に鉄の必要量増加に伴う鉄不足が起こるからです。鉄は体に酸素を運ぶ大事な役割をしていますので、鉄不足は体にいろいろな症状をもたらしますが、自覚症状は感じられにくいため、自分の判断で大丈夫だと思ってしまっていませんか?めまいや立ちくらみで倒れて大きなけがをしてしまうこともありますし、放っておくと徐々に進行していきます。その結果心臓に負担をかけてしまい、重大な心疾患につながることもあるのです。ですから、妊娠中・産後のお母さんには、あなどることなく貧血に向き合ってほしいのです。
○鉄分の効率的な摂取を!
鉄不足の貧血には食事から鉄分を摂取することが大切です。またタンパク質やビタミンCは鉄の吸収を助けてくれると言われています。そして鉄製の調理器具を使うことで食品の鉄含有量が増えることもわかっています。逆に、お茶やコーヒーなどにはタンニンという成分が含まれており、鉄分と一緒に摂取すると吸収を妨げる可能性があります。
<鉄分摂取に効果的な食品>
鉄を多く含む | 鉄の吸収を助ける |
豚・鶏などのレバー 牛肉 カツオなどの赤身魚 鶏卵 ほうれん草 小松菜 ひじき(乾燥) 納豆 など |
ブロッコリー カリフラワー 柿 イチゴ オレンジなどの かんきつ類 サツマイモ など |
貧血の多くが鉄不足によるものと言われていますが、中には子宮筋腫や消化器の潰瘍、がんによる出血が原因であったり、そのほかの原因が隠れていたりすることもあります。自己判断をせず病院や診療所で診てもらいましょう。
☆さいごに
妊娠・出産は家族の人生だけでなく、女性の体にあらゆる影響をもたらす大きなイベントです。体の変化をマイナスにとらえるのでなく、この妊娠・出産をきっかけにして健康づくりを意識できるプラスの面を見ていきたいものですね。子育てを続けていくお母さんのキレイというのは、見た目の美しさだけではなく、いつまでも健康であること、元気であることです。そして食生活や生活習慣の改善が、病気の予防や回復、美容効果につながります。お父さんも、お子さんも、いつまでも健康なお母さんでいてほしいものです。私たち保健師は、お母さんの健康・キレイ・子育てを応援しています!
文/浜松市保健師 鈴木裕之