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出産のエピソード 助産師たちのつぶやき
皆さんこんにちは。寒さが身にしみるようになり、いよいよ冬本番といった今日この頃……ですが、季節なんてなんのその!医療センターでは、季節に関係なく毎日たくさんの赤ちゃんたちが誕生しています。
赤ちゃんの誕生の瞬間には、これまでの‘助産師のつぶやき’にも何回か立ち会い出産についてのお話が登場していますが、お父さんを始め、希望があれば上のお子さんやご両親も出産に立ち会っていただくことができます。そして、この“家族で赤ちゃんの誕生を迎える”こと…は、私たちの目指すお産の1つでもあります。
今回は、私自身が助産師としてではなく、1人の友人として立ち合った出産のエピソードをお話させていただきたいと思います。つい先日、大学の同級生であり同じ助産師仲間でもあるAさんが出産を迎えたのですが、タイミングが合い、私はAさんの出産に立ち合うができました。
振り返ってみると、これまで1人の助産師として仕事の中でお産に立ち会わせていただいたり、実際に取り上げさせていただいてきましたが、友人としてお産に立ち会うのは、私にとって初めての経験でした。
入院から時間の経過とともに陣痛も強くなり、必死にその陣痛と向かいあっているAさんを見ると、応援しながらも思わず涙があふれてきました。
その姿にはもちろんなのですが、それ以上にこれまでの大学時代の楽しかったことや辛かったこと、皆で力を合わせて頑張ったこと、就職してからのこと、妊娠がわかった時のこと、日に日に大きくなっていくお腹を見守ってきたこと…書ききれない位の様々な思い出がこみあげてきました。
私たち助産師は、産婦さんやご家族が素敵な誕生の瞬間を迎えられるよう、皆さんの思いを大事に出産のお手伝いをさせていただいています。ですが同時に、赤ちゃんとお母さんの安全を第一に考え、常に緊張感を持って出産と向き合わなければなりません。それゆえ、皆さんの思いを大事にと考えていても、全てを受け入れることが出来ていないこともあるかもしれません。
今回の立ち会いを経験し、出産を迎えるご家族には、妊娠~出産というその瞬間だけでなく、これまで過ごしてきたお互いの時間や絆など言葉では表せない位たくさんの思いが詰まっているのだと気付く事ができました。
そして、その思いを抱えながら待ちわびてきた赤ちゃんの誕生の瞬間は、本当に最幸の瞬間であること。その場に関わらせていただける私は、助産師となって本当に幸せだと改めて感じました。
今回の経験を胸に、また新たな気持ちで皆さんの出産のお手伝いをさせていただければと思っています。
浜松医療センター 西垣