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おおふじひっこし大作戦

春の桜の花が散るころに、涼やかな薄紫色のふじの花が咲くのを知っていますか?

「おおふじひっこし大作戦」は、木のお医者さんである樹木医の著者が、幹の太さが日本一という4本のおおふじの移植に挑戦するお話です。移植といっても、根もとの太さが直径1メートル以上もあるおおふじの移植は、それまで成功例がなく、4年も引き受け手が見つからなかった大仕事です。

栃木県足利市の植物園にあった4本のおおふじは、一番大きなものでは1本で600平方メートルもあり、畳360枚分もの大きさです。このおおふじを20キロほど離れた新しい植物園予定地にへ引っ越しさせなけれなりません。まさに「大作戦」というべき計画でした。

まず、引っ越し準備のために丸3年かかる日程を組みますが、次々と難題がもちあがります。運搬するための根切り・ふじ棚の縮小、引っ越し時期の見極め、移植先の土の改良、幹のやわらかいふじの木をクレーンで運搬トレーラーに載せる方法、引っ越し当日の交通整理等々…。

ふじの切り口の消毒にも頭を悩ませます。おおふじを運搬可能な大きさに根切りしなければなりませんが、ふじは切り口から腐りやすく、色々な方法を試しましたが上手くいきません。引っ越し後も切り口から腐ってしまった枝の傷口の治療に悩みますが、テレビのニュースにヒントを得て、墨を傷口に塗ることを思いつきます。

常に新しいアイデアと工夫で数々の難題を乗り切り、結果、述べ2,000人もの人々の手によっておおふじの引っ越しに成功するのです。移植後に花を咲かせたふじの花の写真がこの本に載っていますが、「見事!」です。

このおおふじの引っ越しを成功させた著者の塚本こなみさんは、2013年から「はままつフラワーパーク」の理事長に就任されています。来場者を急増させる経営者としての手腕も発揮しており、季節ごとに美しい花々が見られる魅力的なフラワーパークで、リピーターを生み出し続けています。はままつフラワーパークの春は、桜とチューリップが有名ですが、4月下旬には長い房が風に揺れるふじの花も見られます。この本の内容に思いを馳せつつ、今年の春はふじを眺めにフラワーパークへ足を運んでみるのはいかがでしょうか?

紹介した絵本

文/浜松市立中央図書館 鈴木紀予

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