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でてこいミルク!

絵本の表紙を左右に広げると、真っ青な空の下、緑の草原に大きな雌牛が力強く描かれています。雌牛は目を閉じてすまし顔、その雌牛に向かって男の子が両手を広げて何か話しかけています。雌牛のそばには、銀色のバケツ、木のこしかけ。

雌牛の大きなおっぱいからは、きっとミルクが出るに違いない!
でも、都会からきた男の子は、どうしたらミルクが出てくるのかわかりません。
男の子は、雌牛の頭をなでたり、耳をかいてやったり、鼻のあたまにキスしたけれど、だめ。
草や麦、干し草を食べさせても、だめ。
笑い話を聞かせても、だめ。
歌をうたったり、ダンスをしたり、ていねいなおじぎをしても、だめ。
卵でおてだまをしてみせても、だめ。
さかだち、でんぐりかえり、ちゅうがえり、魔法をかけたりしてみても、だめ。
とうとう男の子は怒りだしてしまいました。雌牛もバケツをけっとばして、男の子は泣き出しました。どんなことをしてもミルクは出ない!
しょんぼりした男の子は、雌牛にもたれかかって、はちきれそうなおっぱいを、そっとさわってみました。でも、それだけじゃまだミルクは出ない。

おっぱいを ぱたぱた たたいて ちょっと しぼってひっぱってみようか?どうかな?

出た! ミルクだ!
男の子の満足そうな顔、雌牛も首を持ち上げてうれしそう。まわりで見守っていた動物たちも大喜びです。

絵本の最後のページに作者の紹介文がありますが、子どものころの体験がもとになってできたお話だそうです。子どもたちにとって初めての経験は、まわりの大人が、つい手を出してしまいがちですね。でも子どもたちは、何とかあれこれやってみて、できたときに最高の喜びを得るでしょう。

この絵本では、そんなしつけ的なことは気にしないで、テンポよくリズムのある言葉と力強いタッチの絵を楽しんで読んであげてくださいね。

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