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かえるをのんだととさん
【おすすめの年齢:4~5歳】
ある日、腹の痛くなったととさんは、かかさんに「おてらのおしょうさまに、きいてみなさるといい」といわれて、お寺に出かけていきました。おしょうさまは「腹の中に虫がおるせいじゃ。蛙をのむといいぞ」と言うので、ととさんは蛙をぺろっとのみこみます。
その後も、蛇→雉→猟師→鬼と、前にのみ込んだものを食ってしまうものを次々とのみ込みます。「えっ、雉?、猟師?、鬼~??そんなもの、のみ込めるわけないじゃない...」と思うのは大人の思考です。ここは、子どもの目線に合わせて、次の展開にドキドキするのが物語を楽しむコツです。
ととさんとかかさんのやりとりも、「かかさんやぁ」「おしょうさまに、ききなされ」とリズムよく進みます。ととさんも、おしょうさんから次々と無茶なことを言われても、そのまま受け入れ、どんどん大きなものをのみ込んでいきます。絵もユニークで、ととさんが様々なものをのみ込んでいく絵を見て笑い出す子も少なくありません。
最後はおしょうさんが、ととさんの口に「鬼はーそとー」と豆を投げ入れると、鬼は「こいつは節分の豆だ。いたい、いたい」と言って、ととさんの尻のあなから飛び出して逃げていく...という落ちのある笑い話になっています。
お話がトントンとテンポよく進み、繰り返しの構成が聞きやすく、最後もスッキリ終わる昔話です。子どもと一緒に、ぜひ大人も無心になってお話を楽しんでください。
紹介した絵本
文/浜松市立中央図書館 鈴木紀予