子連れでおでかけ
子育てのヒント
特集記事
子育てのヒントを検索
はじめてのキャンプ
小さいのに大きい子といっしょにキャンプに参加し、とってもがんばったなおちゃんのお話です。うんとがんばって、だんだん仲間として認めてもらえていくうれしさ、何だか1人前になったような自信に満ちた表情。でも、それは、自然に手をさしのべてくれるみんなの手助けがあってのことなんですけどね。
それでいいんです。みんなそうやって大きくなっていくんですもの。
家族と離れて生活するということは、家族以外の誰かに命を預けるということです。そこに、引率者や仲間への信頼がなければできないことです。
小さななおちゃんを送り出した親(1行も触れていないけれど)も偉いです。近所づきあいの中で、今まで培ってきた信頼関係があってこそでしょう。最近は、こういうこどもたちをとりまくあたたかな環境が少なくなってきている感じがしてさびしいです。
背景の細部まで気配りして描く林明子さんには珍しいほとんど背景のない絵本です。楽しい場面がいっぱいですが、たき火の煙がにっこりしているところや食事のときは特別です。
私が好きなのは、懐中電灯の明かりをたよりに、なおちゃんが、夜、一人で、外で、おしっこをする場面。作者は子どもが好きなんだなあと、感じさせてくれます。
文/村上節子さん