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おばけのひっこし
「おばけのひっこし」
文 :さがらあつこ
絵 :沼野正子
福音館書店
春からじめ~っとした梅雨を通って夏まで、草は生い茂り、石垣や古木などにはコケが生してきます。
空き家になってしまった家が、こうした草むらとともにところどころ目立つこの頃ですが、この季節、そんな家の様子にそっと耳をかたむけたくなるような、おばけのおはなしを紹介します。
いまはむかし―京のみやこを舞台にしたおはなしです。
こだくさんのおとどは、家がいよいよ狭くなり、京のまちなかに大きな家を探しに行きます。見つけた空き家には、おばけが出るというウワサ。しかし、おとどは「おばけなど こわくはないぞ」と、その家に泊まってしまいます。
一方、家に住みつかれては大変だ!と、おばけたちは天井裏で作戦会議。
かわるがわるおとどを驚かせようと、おとどのいる部屋へ向かいますが、なんと、おとどに返り討ちにあう始末。
“べんべろべえ” “くびひょろりん” “めらめらぼう” など、名まえも楽しいおばけたちですが、トホホの展開がなんともかわいそうでなりません。
そんなおばけたちが最後にどうなったか?―それは読んでのお楽しみ。
その後のおばけたちの様子がちょっと心配で、空き家を見ると気になってしまうかもしれませんよ。
浜松市立佐久間図書館 長谷川陽子さん