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かしこいビル

かしこいビル


  「かしこいビル」
   ウィリアム・ニコルソン 作
   松岡享子・吉田新一 訳
   ペンギン社



今回は、私が大人になってから出会った絵本を紹介します。
この絵本を読んで、絵と物語が響きあうと、こうもいきいきとお話がすすむのか!と実感しました。
「物語の流れを絵がとてもよく伝えている」「絵をたんねんに読むと、いっそうたのしさが増す」という巻末の解説どおりの作品です。

ある日、メリーはおばさんの家に招待されます。
はりきって旅の支度をはじめるメリー。

あしげのアップル(木馬のおもちゃです)、けがわのついたてぶくろ、スーザン(布人形です)、ふえ、くつ、ティーポット、ブラシ、おさいふ・・・

そして、おいていくわけにはいかないという「かしこいビル」(兵隊人形です)!

こんなたくさんの荷物ですから(旅の友ですね!)、トランクにうまく入らない。
悪戦苦闘の末、えい、やーでメリーは出かけます。

ところが!!(というかやっぱり)

おいていくわけにはいかないといっていた、あの「かしこいビル」をメリーは忘れてしまいます。

落胆に崩れ落ちるビル、涙々のビル!
しかし、決然と立ち上がり追いかけていきます。
野を越え、山を越え、なんとドーバー駅でメリーたちに追いつくのです!!

ビルが、メリーと仲間たちから祝福を受ける場面でおはなしは終わります。
その場面の幸せに満ちた雰囲気にどこからか拍手喝采が聞こえてくるようです。

稲田茂さんの手書き文字もとてもいい動きをあたえていて、絵、物語、文字、訳文とこれらががっぷり4つで組み合った作品にも拍手喝采を送りたいです。

浜松市立佐久間図書館 長谷川陽子さん

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