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にぐるま ひいて
10月
父さんは家族みんなで一年かけてつくったり、育てたものを全て荷車に積み込みました。
母さんがひつじの毛で紡いで織ったショール
娘が編んだ指なし手袋
息子がつくったしらかばのほうき
じゃがいも、りんご、はちみつとはちみつの巣
荷車いっぱいに積み込むと父さんは、遠く離れた市場に売りに行きます。
丘を越え、谷を抜け、小川をたどり、いくつもの村を通って。
市場に着いた父さんは持ってきた品物を次々と売ります。
りんごのあきだるも、じゃがいものあきぶくろも売り、しまいに荷車も牛も売ってしまいます。
そしてまた来た道を、家へと戻ります。
市場で買った大なべの中には、娘のためにししゅうばり、息子のために作業用ナイフ、
家族のために、はっかキャンディ……。
大なべをかついで歩く父さんの足どりは、ゆったりとしていてたくましさを感じます。
そしてまた、一家のおだやかな毎日が始まります。
母さんは糸を紡ぎ、娘はししゅうを刺し、息子はほうきをつくり……。
自然と共に暮らす一家の一年間が、おだやかな文と牧歌的な絵で描かれています。
大地に根づいた家族の自信と幸せを感じ、忘れ去った時代が蘇ってくるようです。