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はなのあなのはなし

表紙には大きな黒丸がふたつ(もちろん鼻の穴)、ページをめくると「このほんは、はなのあなをしっかりとふくらましてよんでください」と始まります。
当たり前のように付いているけれど、普段は意識しない“はなのあな”。そのひみつを、ユーモラスな絵と文章で分かりやすく解き明かしてくれる本です。

はなのあなのはなし (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
やぎゅう げんいちろう
福音館書店
売り上げランキング: 83,315


文字の読める子なら自分で読んでも理解できる内容ですが、ぜひ親子で声に出して読んでみてください。「はなのあながつまると、はなすことばがはっきりしなくなる」という場面では、まさに鼻の詰まったセリフが登場。「はなをつまんで、なにぬねの まみむめもといってごらん」と言われれば、これは試してみないわけにはいかないでしょう。

本文は活字と書き文字が併用されています。活字部分では基本的な知識を紹介、それに関しての解説や、ちょっぴり遊び心を加えて書いてあるのが書き文字部分です。そしてこのバランスがとても良い。例えば「ぼくたちのはなのあなには はなくそがたまる。はなくそは ごみとはなじるがまじって、おだんごのようになっている」と活字で書き、その下に「はなくそは ごみだからきたない。こんなふうにきれいにならべても きたない」という書き文字と、整然と並べられた“はなくそ”のイラストが続くのです(生々しい絵ではないのでご安心を)。子どもは、体から出る“きたないもの”が気になって仕方ない時期があり、この場面を読むと“はなくそ”という言葉自体に喜んだりもしますが、書いてあることはしごく真っ当なことで、大人にとっても妙に腑に落ちる部分です。

同じ作者の「おへそのひみつ」「かさぶたくん」などもおすすめです。

おへそのひみつ (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
やぎゅう げんいちろう
福音館書店
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かさぶたくん (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
やぎゅう げんいちろう
福音館書店
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文/浜松市立可新図書館 島野陽子さん

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