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よくきたね

赤ちゃんがハイハイから立ち上がって、ヨチヨチとあんよができるようになると親はとてもうれしいものですね。赤ちゃんもヨチヨチ歩けるようになると、あちこち歩きたがりますが、おかあさんの呼ぶ声がすると喜んでおかあさんのもとへもどってきます。

よくきたね (0.1.2.えほん)
松野 正子
福音館書店
売り上げランキング: 118,582


この絵本でも、いぬ、ねこ、ぶた、くまのおかあさんが、
「おいで おいで ここまで おいで」と、子どもたちを呼びます。すると子どもたちはおかあさんのもとへやってきますが、その時のおかあさんが子どもを見る眼差しのなんとやさしいこと!子どももおかあさんの目をしっかり見つめて歩いてきます。小さい子どもたちにちゃんと顔を向け、しっかり目を見て声をかけてあげることはとても大切なことです。最後のページでは、この絵本を読んでもらっている子どもたちと同じくらいの赤ちゃんが登場しますが、おかあさんは赤ちゃんと同じ目の高さにかがんで両手を差し伸べています。どのページもあたたかな眼差しの親子の表情が、やわらかな色調でやさしく描かれています。
そして、おかあさんたちはおかあさんのもとにやってきた自分の子どもたちを、
「よくきたね いいこだね」「よくきた よくきた いいこ いいこ」と、それぞれの愛情表現で舐めたり、おっぱいをあげたり、抱きしめたりします。この絵本を子どもといっしょに読むことで、子どもがいとおしいという親の気持ち、安心して身をゆだねて愛されていることを感じる子どもの気持ち、この両方をたっぷり実感させてくれます。忙しい毎日の生活のなかでは、なかなかこのようなことばかけを忘れがちですが、あんよができるころ繰り返し読んであげてください。

先日もルピナスの赤ちゃん絵本教室で、この絵本の素晴らしさをお話ししたら、それを聞いていた参加者のおとうさんが、帰りに展示してあったこの絵本を開いて、
「きょうの話を聞いてから、この絵本を改めて見てみると何だか涙が出るね」と、心にしみるうれしいひとことを言ってくれました。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん

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