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かさじぞう
六地蔵が笠を被せてもらった恩返しをするお馴染みの昔話絵本です。
“ むかし、あるところに、びんぼうな
じいさんと ばあさんと あったと。 “
編み笠を売って生活をしているおじいさんとおばあさん。
大晦日、おじいさんは編み笠を売ってお正月のお餅を買おうとまちへ出かけます。
ところが、魚やお米はとぶように売れるのに、おじいさんの笠は見向きもされません。仕方なく家に帰る途中、おじいさんはふぶきにさらされているお地蔵さまに気がつきます。
“ あやぁ、むごいことだなあ。
はだかで ゆき かぶって
さぞ さむかろう “
そう言って、売り物の笠から自分の笠までお地蔵さまに被せてやります。
そのお礼にお地蔵さまから正月の朝、お餅やお飾りを届けられ二人は幸せになります。
売り物の笠から自分の笠までもお地蔵さまに被せてあげるおじいさんの優しさとそれを大袈裟でなく当たり前のように喜ぶおばあさんのあたたかさ。
そして、貧しくても清らかに生きるふたりが幸せになれたことの安堵感たるや!
もかもか、さくさく、のっこのっこ
日本語のやわらかな表現に、情緒たっぷりの絵が物語の雰囲気を一層ひきたてます。
歳晩、皆で温かくし行く年来る年を思いながら読みたい一冊ですね。
浜松市立佐久間図書館 長谷川陽子さん