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しょうぼうじどうしゃじぷた
3~4歳くらいから楽しめる幼児向け物語絵本です。
子どもたちは、働く車が大好きですが、特に消防車や救急車はとても人気のある車ですね。消防署に並んでいる真っ赤や真っ白な大きな車が、ウーウー、ピーポーピーポーとサイレンを鳴らしながらスピードをあげて走って行くのを見ると、大人の私たちでもハッと息をのんでしまいます。
この絵本は、そんな消防車や救急車が登場するお話です。ある町の消防署に、はしご車の“のっぽくん”、こうあつ車の“ぱんぷくん”、救急車の“いちもくさん”、そしてジープを改良した小さな消防車の“じぷた”がいました。大きな火事がおきれば、“のっぽくん” “ぱんぷくん” “いちもくさん”が鼻息もあらく大活躍するのですが、小さな“じぷた”の出番はなかなかありません。しかも、チビだからとバカにされて悲しくなりました。
ところがある日、山小屋が火事になり、署長さんが、“じぷた”に出動命令を出しました。じぷたは、消防のおじさんたちを乗せてサイレンをならして飛びだしました。せまい、けわしい山道も平気で登り、谷川からホースで水を力いっぱいくみあげては、はきかけて、いっしょうけんめい火を消し、山火事にならずにすみました。そして翌日の新聞で“じぷた”の活躍が記事になり、町の子どもたちの人気者になりました。
子どもたちは、この絵本の中の小さな消防車“じぷた”に自分をおきかえてお話を聞いています。チビだからとバカにされても、チャンスがきて、一生懸命がんばって成功すれば認められるんだな!と、自分もがんばって褒められたような、満足した表情を見せてくれます。
3~4歳くらいになると、少し長いお話の絵本もじゅうぶん聞けるようになります。お話の主人公は、人間だけでなく乗り物でも動物でも人形でも何でもいいのですが、子どもたちは、主人公になりきって遊んだり、出かけたり、冒険したりしてお話を楽しみます。どうぞ、子どもたちに物語絵本を繰り返したくさん読んであげて、主人公と一緒にいろんな経験をさせてあげてくださいね。子どもたちは、一回りも二回りも大きく成長してくれますよ。
文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん