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あれるぎーっ子の防災を考えるシンポジウム

『あれるぎーっ子の防災を考えるシンポジウム』に参加しました。

11月3日(土)13:00から3時間半にわたり、浜松市福祉交流センターで『浜松アトピーの会」が主催でシンポジウムが行われました。司会を「浜松アト ピーの会」の澤柳京子さん、コーディネーターを浜松市社会福祉協議会本部総務課地域福祉係長の中谷高久さん、そして4人のパネリストにより進められました。

あれるぎーっ子の防災を考えるシンポジウム

まず初めに、「湖西市災害ボランティ 0そんがい」の前田展雄さんが、ご自身の災害ボランティアの経験から、災害ボランティアとは何かについて話されました。その中でも、予備知識として、「日本で起こる地震は世界の地震の1/10ある」ということ、「日本ではマグニチュード6以上の地震が、2年に1回くらいのペースで起きている」ということ、「地震の起こる確率として、首都直下型地震は30年以内に70%であり、東海地震は30年以内に86%の確立もある」ということなど、大変興味深いデータを紹介され、またその数値に驚きました。

1995年以降の震度6以上の地震の被災者アンケートによれば、災害時に困ったものは、

  1. 生活用水
  2. トイレ
  3. 飲食用の水
  4. 家族との連絡
  5. 食料
  6. 燃料
  7. 冷暖房
  8. 避難生活
  9. その他

あれるぎーっ子の防災を考えるシンポジウム

毎日新聞東京本社社会部記者の鈴木梢さんからは、新潟中越沖地震を取材した経験の中から、特にアトピーの子どもたちについて話されました。

夏場の災害であったので、暑くて汗をたくさんかくため、汗を拭きたくても水不足で清潔なタオルで拭いたり水で洗ったりできず、赤くなったままの子どもがたくさ んいたそうです。また、かぶれや湿疹の薬を救護所でももらうこともできず、アトピーが悪化する一方だったそうです。アレルギーがある場合は、自分に合った薬や災害時の対策のものを各自で備蓄するのが最重要だということです。
メディアとしての役割は、アレルギー患者が要援護者であるという社会的認 知が低いので、正確な知識を社会全体に理解してもらえるように取り上げることが大切だと感じたようです。実際に、アレルギー患者が被災時にどのような状況 で、どのように困っているのかなど、ほとんど報道されていないそうです。例えば、避難所で「あれは食べられない、これは食べられない」と言うと、アレルギーのない人からは単なるわがままと捉えられてしまうことがあります。また、アレルギーのある小さい子どもの周りでいろいろ食べているのを見かけると、小さい子どもは欲しがるので、何も考えずに与えてしまって、結果発作を引き起こしてしまうという悲劇も、アレルギーについて正しく認知していないということが起因となっています。ですから、アレルギー患者の方たちも、自治体や社会福祉協議会などに、今後も直接訴えていくことが必要ですが、メディアでも継続して伝えていき、平時にも伝え続けることが必要です。

あれるぎーっ子の防災を考えるシンポジウム

浜松市保健予防課の保健師辻村あつ子さんは、3年前には小千谷市に、7月には柏崎市に派遣されたそうです。主には高齢者への対応だったそうですが、被災者の健康状態は、命あるだけでもよかったというものの、余震がたくさんあり不眠になっ たり、眠れないからと飲酒量が増えたり、集団生活のストレスを感じている方が多かったそうです。また、肺血栓やエコノミー症候群を検査し対策をしていたそ うです。
NPO法人アレルギー支援ネットワークの栗木成治さんは、アレルギー患者の支援活動の経験を話されました。食物アレルギーを持つ人は全体の7%位なので、自治体の備蓄も全体の5~7%はアレルギー用のものにするよう働きかけているそうです。震災の発生から8時間後には食事が配給され、その後すぐに自衛隊の炊き出しと風呂が用意され、翌日にはコンビニエンスストアも復旧していたそうです。
しかし、体育館のような大きな避難所にはできるだけ入らない方がいい。近所の空き地や駐車場などに、数所帯で公の配給などを期待せずに、お互いに持ち寄り生活する方がいいということです。避難所は、いろいろなことで過酷なところなので、普段から家の耐震や備蓄をするなど、避難所にはできるだけ行かなくてもいいように備えることが必要であり、 アレルギーの人は、特に自分で何でも用意するつもりでアレルギー用食品などは普段から多めに用意しておくことが重要ということです。
この後、アレルギーっ子の安否情報確認システム&防災・救援情報システム「お試し版」の初公開がされました。これは、携帯電話のGPSを利用してアレルギー患者の安否を確認するシステムです。

あれるぎーっ子の防災を考えるシンポジウム

一言でアレルギー患者と言っても、どのようなものにどのように反応するのかが違い、大変複雑なものです。しかし、今はまだ、あまりにもアレルギー患者についての認知が社会では低く、被災後避難所生活をする場合には特に、同じ避難所に住む人たちにアレルギーについて認識してもらうことが必要となります。防災 用品を各家庭で確保することを勧めるのと同じように、アレルギー患者が要援護者であり、アレルギー患者の安全がどのようにすれば確保できるのかを、同じように知らせる必要があると考えさせられました。
また、自治体もアレルギー用の非常食の備蓄を確保しいざという時に備えておく必要があります。その必要性をすべての自治体で認識するよう働きかけも必要であると感じました。

<わかば>

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