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帰宅困難体験 前篇
こういう体験はできればしたくないのですが、台風15号が浜松市に上陸した日、ちょうど仙台の出張から帰ってくる予定だったので、例外なく私もたくさんの帰宅困難者のひとりとなりました。
台風がどこに上陸するかがまだわかっていない昼頃、浜松市内では停電や断水となっているところが出ているという連絡が入ったので、早めに切り上げ帰路に着きました。
仙台市内も風が強まり、強い雨が降っていたので、びしょびしょになりながら仙台駅に向かいました。この時、山形新幹線のみ運休となっていたようですが、東京までの新幹線は通常通り運行していたので安心しました。
東京駅に着くと、暴風雨と「東海道新幹線の運転見合わせ」のアナウンスで空気が殺気立っているようにも感じました。足止めされて困っている人たちが、ホームや駅構内のあらゆるところにいました。椅子のあるところはもちろん座れる場所はなく、階段やちょっとした段差のところに腰をおろして、様子を見計らっている人たちがたくさんいました。殺気立っているように感じつつも、パニックになっていないところが、日本人のすごいところですね。私も空いた椅子にすかさず座り、その日のうちに家にたどりつけるのかを考えていました。
「もしも、新幹線がこのまま運転を再開しなければ、どこかホテルに泊まるしかない。」
「もしも、夜遅くなってでも新幹線が動き出すなら、なんとか家に帰りたい。」
という2者択一を、どのタイミングでどう判断するかを迷っていました。
周りにいる人たちは立ち上がる様子もなく、ワンセグでテレビを見ていたり、メールで誰かと連絡をとりあったりしているようでした。3月11日の大震災による帰宅困難を経験している人がいるのかもしれませんが、誰かひとりがパニックを起こすと、この張り詰めた空気が一気に壊れてしまいそうでした。緊張と焦りとひとりで判断して決めなければならないという不安でどうしようもない気持ちになりました。
近くにいた子ども連れの若いお母さんも、この異様な雰囲気を敏感に察知した子どもがぐずっているのを一生懸命なんとかしようとしていました。
そうして数十分たった時、私は次の行動を判断できずにいましたが、とりあえず、この段階でホテルを予約できるのかが心配になり、ネットで調べてみることにしました。すると、インターネット予約できそうなホテルの数が随分少なくなっているということに気づき、このまま判断が遅れると、
「泊るところがなくなる!!」
ということで、職場に連絡をし、この日は東京に泊まって翌朝帰るということにしました(この場合は、「帰宅困難者」から「帰宅不能者」という場合もあるようです)。
結局、帰宅をあきらめたものの、電車は動いているの?電車がダメならバスやタクシーは動いているの?たくさんの帰宅困難者が出ている状況の中、予約なしでもホテルは泊まれるの?という疑問で頭がいっぱいでした。
さて、その後どうなったかは、次回に続くとします。
(わかば)