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「もの言わぬ2万人の叫び 封印された震災死 その『真相』」

2011年3月11日に起こった東日本大震災で、2万人の命が奪われました。つまり2万件の「震災死」があるのです。その中には、もしかしたら亡くならずに済んだ命もあったかもしれません。未だその死の真相が解明されていないこともあります。

残された家族には、亡くなった人は帰ってこないと分かっていても、「どうして死ななければならなかったのか」という「死の真相」を知りたい人と、知りたくない人がいます。しかし、自分の家族がどのようにして亡くなったのか、ただそれだけを知りたいだけなのに、「千年に1度の災害だったから仕方ない」ということで原因究明しなくても良いのでしょうか。それによって、遺族が裁判を起こし、原因究明を強く望むことは、「遺族の吊るし上げ」と非難されなければならないことなのでしょうか。

発災直後に、どのような行動をとることが正しくて、どのような行動は正しくないのか、混乱が収まってからなら何とでも言えますし、判断できるかもしれません。しかし、その場で誰もが正しい判断ができたかというと、難しいことです。ただ遺族としては、どのような災害だったとか、本当はどういう行動が正しかったかということの前に、大切な家族がなぜ亡くなったかという「死の真相」を、知りたいのではないかと思います。

また、この時地域の消防団の人が、地域の人を助けるために最後まで避難誘導など、消防団としての任務を遂行し、津波にのまれてしまった人もたくさんいました。消防団ではなくても、地域の一人暮らしの人を助けに行って、帰らぬ人となってしまった人もいます。誰かのために命の危険も顧みず、行動を起こすことは尊いことです。でも、その家族にとっては、やはり「生きていて欲しかった」というのが本心。東日本大震災後、学校では防災教育に力を入れるようになってきたようですが、他人のために損得勘定なしに行動できることの尊さだけではなく、生き残るための行動の尊さについても、教育してほしいものです。

著者はこの本の中で、
「震災死からは、様々なのものが見える。死者が出た施設と遺族の争いだけに目を奪われるべきではない。施設の職員らの避難意識、そして職業意識、周辺に住む住民の避難意識、自治意識、人と人との関わりにも視野を広げたい。そして自分の周辺環境に置き換えて、考えてみることが大事だろう。」
といっています。2万人の死に真摯に向き合うことが、今まさに必要なのではないかと思います。

(わかば)

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