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コロナでも ただでは起きない やらまいか

新型コロナの流行で、社会全体が停滞しています。お金の心配、外にもでられない、学校も始まらない、みんなイライラ。悪いことを挙げるときりがないですが、僕はこういう社会を変えるような出来事が起こるたびに、これはまたとないチャンスだと考えるようにしています。

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僕が弁護士として働く法律事務所も、4月後半からは、顔をあわせての相談や打ち合わせは全て中止。それで困るかと思ったら、それまで使ったこともないZOOMというテレビ電話で相談や打ち合わせをするようになりました。つい先日は、80代の女性ともこのZOOMを使って交通事故の相談に乗ったんですよ。遠くにお住まいの方なので、ZOOM相談がなければお話を聞くのも難しかったでしょう。

そのZOOM。使ってみると、とても便利で、わざわざ事務所に行かなくても仕事ができます。そもそもこれまで直接顔を合わせてやっていた仕事の8割は自宅でもできていたんじゃないか、と正直思いました。テレビ会議なら静岡で生活していても日本中の人を相手に仕事ができるわけで、商売だって繁盛です。万歳。いまや、お医者さんの診察や手術だって遠隔装置でやる時代ですからね。

こうした変化は特に静岡のような地方に暮らしている人にとっては大きなチャンスです。静岡という自然豊かな場所で日々のびのびと暮らしながら、日本全国を相手に仕事もできるし、素敵な先生の講義だって受けられるし、都会の友達ともいつでも会えるのですから。

コロナは、自然災害の備えについても、大きな学びをわれわれに与えてくれました。全国規模の感染症の蔓延(まんえん)が、南海トラフ地震のような本気の災害でどのようなことが起こるかのヒントをくれたわけです。

今回、お店からティッシュやトイレットペーパーが消え、一時期はパスタやお米までなくなりそうになりました。東京ではもっと大変な品薄です。巨大地震が起こればスーパーからは多くのものが何週間もなくなるでしょう。家に日頃からじゅうぶんな量のトイレットペーパーや携帯トイレがなかったらどうなるか、家に水や食べ物を備えていなかったどうなるか、少しは想像できましたよね。しかも巨大地震ではこれに停電だって断水だって加わるのです。

また、コロナのように、日本全国が被害を受け、それどころか世界中がパニックになると、周りの誰も自分のことを助けてはくれないことがよくわかったとも思います。米軍のヘリコプターが「トモダチ作戦」で空からたくさんのトイレットペーパーを落としてくれることはなかったですね。自分の備えが自分の命を助けます。

そして、こんな緊急事態事態のときでも、もう一歩先までさらに想像力を広げることも大切です。今回の感染症は新型コロナウィルスでしたが、これがエボラ出血熱だったらどうなっていたでしょう。エボラ出血熱の致死率は平均でも50%、最大90%です。感染すると10人中9人が死んでしまいます。間違いなく、都知事にステイホームと言われなくても、絶対に誰も家からでません。食料が尽きて命がけで外にでてもスーパーもコンビニもすべて閉鎖。やっぱり救援物資も届かないでしょう。つまり、家に水や食料の備えがなければオシマイになってしまう可能性が極めて高いのです。

ピンチはチャンス、というのは本当です。僕も含めて人間というのは基本的に怠け者だし、今日と同じような生活を明日もしようと思うし、まだ起こっていないことへの想像力だって貧弱です。こんなコロナのような緊急事態でも起こらないと、僕はテレビ会議もはじめられなかったし、水や食料とトイレの備蓄も家族3日分で十分備えた気になっていたのです。

コロナの禍いを嘆くのは当然だし、簡単だけど、このコロナをきっかけに変わったところに目を向けたり、コロナをきっかけにまだまだ変えられることないだろうか、と問いかけてみるのも素敵なことです。

転んでもただでは起きない心持ち、それも「やらまいか精神」ではないかと思います。

(永野 海氏:弁護士、防災士。日弁連災害復興支援委員会副委員長)

 

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