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歯の健康づくり

歯の健康づくり歯の健康センターで所長をしている石川 昭です。浜松市の職員ですが、歯科医師でもあります。市の職員で歯科医師とは違和感があると思いますが、浜松市では私を含め2人の歯科医師が働いており、皆様の歯の健康づくりのお手伝いをしています。また、市民の皆様に対して歯の健康づくりに関する各種事業を展開するため、歯の健康センター(鴨江の保健所の敷地内にあります)を中心に、西区、北区、浜北区、天竜区に歯科衛生士も配置しています。

私は、歯の健康は目や耳などの健康と同じく、快適な生活をする上でなくてはならないものだと思っています。今までは、がんなどの生死に関する病気の予防にどうしても重点が置かれてきましたが、これだけ長寿が全うできる世の中になってきたので、同じ長生きするなら楽しく暮らせることが大切です。
歯の病気の予防は、医学のなかでは最も進んでいる分野の1つで、小さい時から上手に予防すれば、一生ほぼ自分の健康な歯で過ごすことができると思います。その第一歩として、子どもの乳歯のむし歯予防があります。乳歯でむし歯が少なければ、大人の歯の永久歯でもむし歯が少なくなることは昔から分かっています。浜松市も全国と同じく、年々むし歯が減ってきているのでよいことなのですが、それでも5歳のお子さんでは約半数の子がむし歯になっています。むし歯予防で最も有効なのは、フッ素を使う方法です。市ではその方法のなかで、フッ素塗布やフッ素洗口を実施したり、フッ素入り歯磨き剤の使用を普及啓発したりしています。これらを上手く組み合わせればむし歯を半分くらいに減らせます。
最近の学会で、スウェーデンの大学で普及しているフッ素入り歯磨き剤を使った予防方法を聞いてきましたので、紹介します。2-2-2-2方式といって、以下のようなものです。ぜひ、実践してみてください。

1 歯磨き剤を2cm(大人)つける(4~6歳は1cm、1~3歳は小豆大)
2 一日2回磨く
3 一回2分間磨く(磨くというより歯全体にまぶすように)
4 磨いた後2時間は飲食を避ける(うがいを少なくして)

むし歯の多いお子さんをみていると、生活習慣の乱れが気になることがよくあります。歯の病気の発症は生活の乱れからといっても過言ではありません。単に、甘いものをだらだら食べたり飲んだりする食習慣の乱れだけでなく、夜更かしをしたり、朝ごはんを欠食したり、色々なことが歯に現れます。規則正しい生活をすると、間食回数も少なくなり、おのずとむし歯予防につながりますので、むし歯の多い方は自分や家族の生活を振り返ってみましょう。

少し話を変えて、大人の方の歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防についてお話します。むし歯は減ってきていますが、歯周病にかかっている人はあまり変化ありません。3歳児の保護者の方のお口を拝見すると、3人に1人は注意を要する歯周病がみられます。なかにはすでに歯周炎(歯槽膿漏)になっている人(約5%)もみうけられます。歯周病の予防には、毎日の歯と歯の間の清掃と、歯科医院での定期的な歯のクリーニングがとても大切です。歯と歯の間の清掃に使用する道具として、歯間ブラシやデンタルフロス(糸つきようじ)があります。特に歯間ブラシはこれからの歯の健康を守る必需品ですので一度購入してみてください。歯間ブラシは、スーパーや薬局などで販売されていますので、細いサイズ(SSS・SS)から試されるとよいです。痛くない程度にブラシを歯間に挿入し、歯と歯ぐきの境目を細かく前後に動かしてみてください。出血する人が多いと思いますが、これは歯ぐきが炎症を起こし弱っている証拠ですので、さらに毎日続け汚れ(歯垢)を取り除きましょう。また、歯石がたまっている方は一度歯医者さんできれいに取ってもらいましょう。

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