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専門家の子育て3

言い換えるなら、子どもの誕生と同時に、自然とわが子を愛しつづけられるほど、人間は強くないということです。当たり前の話ですが、子育ては良いことばかりではありません。どんなに勉強し、子どものことを頭で理解していても、時にいらだち、腹を立て、『自分は子育てに向いていないのではないだろうか!?』と自己嫌悪に陥ることもしばしばあります。でもそんな時に、近所の人や園の先生から、わが子を「かわいいね」と一言いってもらえることで、少し救われた気持ちになります。それによって、子どもだけでなく、自らの育て方もほんの少し肯定された気持ちになるからです。
要するに母性(父性)というものは、放っておいても自然にあふれ出てくるようなものではなく、周りの小さな支えによって何とか成り立っていくようなものなのかもしれません。そんなふうに考えると、私が子どもの散歩で自然と足が向く場所やお店は、わが子を「かわいいね」って言ってくれるところです。私の場合、最高の散歩コースは近所の短大です。保育科の学生さんたちが通りすがりに「かわいい、かわいい」と言ってくれるからです。こんなことを自分の奥さんに話してみたら、彼女もよく子どもとの散歩の時には短大に行くようで、親が考えることは同じだなぁと思いました。つまり、子どもは親に育てられるのだけど、その親もまた誰かによって育てられ、親になっていくのだと思います。