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世代間における育児の考え方の違いについて~助産師たちのつぶやき~

家族みなさん、こんにちは。メディカルバースセンターで助産師をしております、東と申します。
4月に入り新年度を迎え、すっかり春らしい暖かい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。お子さんの体調にも特に気を遣う冬が過ぎ、ほっと一息つかれていることと思います。
今回は、世代間における育児のギャップについてお話したいと思います。
先日、病棟でこんなことがありました。初めてのお子さんに慣れない授乳を終えて、ようやくウトウトし始めた赤ちゃんをそっとベッドに降ろしたところ・・・赤ちゃんは目をパチッと開けて火が付いたように泣き出しました。お母さんは慌てて赤ちゃんを抱き上げてあやし始めます。それを見た、面会に来ていたおばあちゃんが一言、「ほらほら、あんまり抱っこをすると抱き癖がついちゃうよ。そのうち諦めて泣き止むものよ」・・と。お母さんは手を止めて、困ったように大泣きしている我が子を見つめていました。このような光景に見覚えのある方も、少なからずいらっしゃるのではないかと思います。

そもそも、『抱き癖』という言葉は一体どこから出てきたのでしょうか。おばあちゃん世代は、戦後復興の中で女性も働き手としてカウントされており、なかなか育児に手間をかけられませんでした。今のように便利な道具もなく、泣いてもかまってあげられないことから、『自立心を養うために抱き癖をつけない』という考え方が主流となったようです。しかし今では、赤ちゃんの『泣く』という要求に対して応えてあげることこそが、心の成長のベースになるといわれています。赤ちゃんは、お母さんや家族とのスキンシップを通して人を信頼するようになり、そして、自分の要求に応えてもらうことで自分は大切にされていると安心し、心の発達が促されます。逆に、泣いて訴えても振り向いてもらえないと泣くことを諦めてしまい、情緒の発達が遅れたり自信をもてなかったりと、後々の成長発達に大きな影響を及ぼすことが多くの研究で証明されています。このことからも、健康な心を養うためにはたくさんの抱っこやスキンシップが必要だということがわかります。

その他にも、母乳育児の仕方や離乳食の与え方についてなど、時代によって考え方が違うことはよくあります。もちろん、子育て経験を踏まえたおばあちゃん世代のアドバイスが正しいこともたくさんありますし、赤ちゃん一人ひとりに個性があるように、育て方もそれぞれ違うことと思います。でも、産後の疲れた身体で精一杯がんばっているところに、「だめよ」と言われてしまうと、自分の育児を否定されたようでナーバスになってしまいますよね。
世代間で育児についてのギャップを感じた時に大切なことは、やはり話し合うことだと思います。ご家族もよかれと思ってアドバイスをしているはずですし、それを頭ごなしに反論するのでは気持ちよくはないでしょう。かといって、ただ我慢をすることも大きなストレスになります。お互いに歩み寄りがうまくいかない時には、一緒に育児書を読んだり、保健師や助産師の話を一緒に聞くことも有効なのではないかと思います。それぞれの考え方に耳を傾けて、お互いを理解し合い認め合うことが大事なのだと思います。「手伝ってくれてありがとう」「役に立ててよかったわ」という気持ちで、みんなで育児をサポートしていけるといいですね。

文/医療センター 助産師 東真梨子

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