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母子手帳のはなし 助産師たちのつぶやき

母子妊娠している方は市町村で母子手帳が発行されていることと思いますが、母子手帳の中身をじっくり見たり、読んだりしたことはありますか?そして、外出する時には必ず持参されていらっしゃいますか?出産を終えたお母さんは、母子手帳を活用していますか?

今日は母子手帳についてお話したいと思います。まず、一般的に母子手帳と呼ばれているものは正式には「母子健康手帳」と言います。胎児の心拍が確認され、妊娠が確定した妊娠10週前後の時期に医療機関等では「妊娠届出書」をお渡ししています。この書類を各市町村の指定された場所に提出すると母子手帳が交付されます。そして、母子手帳が発行された後の妊婦健診時では、血圧や妊娠中に実施した採血の検査結果が記入されます。

母児共に順調に妊娠が経過し、母児共に無事に安全に出産が終えることが、私達医療職の一番の願いではありますが、妊娠中、いつ、どこで、何が起こるかは分かりません。それは妊婦さん全員に言えることです。旅行先でお腹の張りがおさまらなくなってしまって早産の危険性がある切迫早産の状態で入院が必要となったり、出産に至ってしまったりする可能性が全くない訳ではありません。もしかしたら遠出した先で突然、緊急帝王切開になってしまうかもしれません。母子手帳には妊娠中の簡単な経過が記載されるので、緊急時にはいわば簡単なカルテとなります。万が一、かかりつけの病院以外に受診せざるを得ない状況になった時、妊婦さんが母子手帳を持ってくださっていれば、私達医療者は、その妊婦さんの情報を速やかに知ることが出来、母子手帳を持っていない時と比較して早期の対応が可能となります。「母子手帳は大きくて、いつも持ち歩くのは荷物になるし、面倒くさい…。」という妊婦さんの声もよく耳にしますが、妊娠中、外出する時は必ず持ち歩くようにしていただけたらと思います。

また、母子手帳には出産の状況や検診の状況を私達医療者が書くページの他にも、赤ちゃんを迎える気持ちや成長の様子等、お母さん自身が記入するページもあります。そのため、妊娠~出産、成長するまでの記録となるだけでなく、お子さんが大きくなった時、一緒に母子手帳を見ることで、お母さん・お父さんのお子さんへの想いや出産時の様子を伝えるきっかけにもなると思います。

その他にも、妊娠中の体重コントロールや生まれたお子さんの予防接種や成長について等多くの情報が載っており、妊娠から子育て期における簡単な育児書にもなり、活用の仕方は無限大です。

妊娠中から生まれたお子さんが成長するまでの育児書であり、記録であり、記念品でもある母子手帳です。ぜひ大切に、そして有効に活用していただけたらと思います。

文/浜松医療センター 助産師 渥美絢子

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