新しい年度になりみなさん忙しい毎日を送られているかと思いますが、体調はいかがでしょうか？今回は妊娠・出産にまつわる迷信についてお話ししてみようと思います。

学生の頃、はじめての助産院実習で70歳過ぎのベテラン助産師がまだまだ余裕のある3人目を出産するお母さんに向かって潮時表をみてこう言いました。「焼津港の満潮が○時○分だからその30分後くらいかな」その1時間後に朝焼けの中で元気な男の子が誕生しました。まだまだヒヨコだった私には助産師ってすごい！と衝撃の体験でした。昔の産婆さんは月の満ち欠けや潮の流れをみてお産の予測をしていたそうで、学生以来満月の前後は自然と空を見上げて今日もお産が多いかなとドキドキしています。科学的な証明はないにしろ統計学では満月の前後はお産の割合が増えると示しているものがたくさんあるんですよ。

これ以外にも‘男の子はお腹が前に出て女の子は丸くなる’、‘男の子は妊婦の顔がきつくなるが、女の子は優しくなる’‘上の子がお股をのぞくと妊娠する’‘妊婦の側によると妊娠する’など数々の迷信が存在します。実際に満月にお産が増えるという迷信は本当だと体感していますが、それ以外は昔からの助産師の勘や言い伝えがほとんどで実際のところ・・・？
それでも、スピリチュアルな話が好きな私は積極的にお母さん達にこういったお話をしています。古くからの迷信は信じてみると意外と当たった時に嬉しいもので、気軽な気持ちで信じてみると妊娠や出産がもっと楽しくなるかもしれません。

最後に・・・迷信とは少し離れますが、お産を順調にすすめる秘訣は「ポジティブ思考」です。これは助産師をしていてよく感じている事ですが、前向きな人はお産が順調に進む人が多いんです。妊娠や出産は不安になることが沢山ありますが、是非楽しみながら前向きに過ごしていただけたらと思います。

文／医療センター 助産師 福富宏実