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妊娠・出産は奇跡の連続 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやき4月に入り、温かく春らしい陽気が続いており、過ごしやすくなってきましたね。みなさまお元気でお過ごしですか?今回「助産師のつぶやき」を担当させていただくにあたり、自分自身の妊活体験についてお話をしたいと思います。

私たち夫婦は結婚してからすぐに子どもを望んでいましたが、なかなか授かることができませんでした。最初は毎日基礎体温を測りながらタイミング法を試みましたがなかなか妊娠に至らず、次第に環境の変化やストレスから排卵が起こらなくなってしまい、毎月、産婦人科を受診し排卵誘発剤を内服していました。高齢でしたが夫婦共に健康であった私たちは、タイミングを合わせればすぐに妊娠に至ると思っていましたが、なかなかうまくいかず・・・。このままずっと子供を授かることができないのではと焦りました。ちょうど去年の今頃の自分は「妊娠」という出口の見えないトンネルの中にいて、毎日悩み、悶々とした日々を過ごしていたことを思い出します。それでも赤ちゃんを授かるために、自分にできることはなんでもやってみようと思い、本やインターネットで調べ、友人や同僚から妊活に良いと言われる情報を聞き、まずは妊娠しやすい心と身体作りを始めてみました。

妊娠しやすい身体作りについては、良質な睡眠を取るために夜勤以外の時は22時には入眠し質の良い睡眠をたっぷりとるよう心掛けました。食生活についてはできるだけ自炊をし、バランス良く栄養価の高い食事を摂取するよう努めました。適度な運動はストレス解消や冷えの予防にもつながると思い、30分~1時間のウォーキングを週3~4回続けてみました。「妊娠に至るには身体を温め、体温を高く保つことが大事」と本で読んだので、温活のため、エアコンで身体が冷えないように夏でもヒートテックの腹巻とレギンス、5本指の靴下を重ねて履き、身体を温めることを意識しました。また漢方外来を受診し、2種類の漢方を毎日飲み続けながら体質改善を試みました。

妊娠しやすい心作りでは、いろいろ調べているうちに妊娠のジンクスがあることを知り、出産で入院してきた同僚に赤鉛筆で富士山と太陽の絵を書いてもらったり、「玄関に赤ちゃんの靴を置くと自分の家だと思って赤ちゃんが来てくれる」という欧米に伝わるジンクスを信じて、自宅の玄関に新生児の靴を飾ったり、お墓参りに行ってご先祖様に赤ちゃんを連れてきてくださるようにお願いをしたり、子宝温泉や子授け神社へ行って願ったり、海外旅行に行った先では教会や寺院でお祈りをしたり・・・夫とは妊活について、今後の人生をどう生きていきたいのかよく話し合い、夫婦仲良く良好な関係が保てるよう努めました。「ストレスは妊活の敵」という記事を読んでからは、1回きりの人生、毎日を楽しく笑って過ごしていた方が、赤ちゃんは私たち夫婦のところに来たいと思ってくれるんじゃないかと発想を変えました。妊活を意識する前のように休みの日には家族や友人とおいしいご飯を食べに行ったり、旅行へ行ってリフレッシュしたり、買い物をしたり、おしゃれをしたり、毎日をポジティブな気持ちでワクワクしながら過ごすよう努めました。

日々を楽しむストレスフリーな生活を続けていたのがよかったのか、偶然なのか、赤ちゃんが来るタイミングがこの時だったのかは分かりませんが、排卵誘発剤を飲まなくても自然に排卵が起こるようになり、赤ちゃんが私たちの所に来てくれました。毎日、基礎体温を付けていたので、生理の遅れを自覚し妊娠検査薬を試すと見事、陽性反応が。翌日、産婦人科外来を受診し子宮の中に胎嚢があることが確認できた時は嬉しさと感動で涙が出てきました。

妊娠しやすい心と身体作りをしながらの妊活期間は、うまくいかないことや辛いこともたくさんありましたが、今まで知らなかった妊活の知識や、心と身体を両方整えることが大事なことなど、たくさんのことを学ぶことができました。妊娠可能なすべての人の妊娠のチャンスは月1回。しかも卵子が生きていられるのは24時間程度で、その間に精子と巡り合わなければ妊娠には至りません。受精しても着床しなければ赤ちゃんは育ちません。妊娠6週で心拍が確認でき、「妊娠9週の壁」を越え、妊娠19週で胎動を感じるようになるまでは、健診に行かないと赤ちゃんが元気にしているのかが分からなかったので、毎日ドキドキ、無事でいてくれますようにと願いながら過ごしていました。胎動を感じ、妊娠8か月になった今、お腹の赤ちゃんがキックやパンチ、身体をグルグル動かしながら「元気にしているよ」ってアピールしてくれるので、赤ちゃんとの一体感を楽しんでいます。

赤ちゃんを授かるということ、子宮の中に赤ちゃんが宿り、無事に成長しこの世に生まれるということは本当に神秘的で奇跡の連続なのだと感じています。

女性の一生の中でも短く貴重な妊娠期間中の今、日々思ったことや感じたこと、赤ちゃんに会える日を心待ちにしていた気持ちを忘れないよう、エコー写真と共にアルバムに書き留めています。いつか子どもが大きくなった時に、みんなが誕生を待ち望み、妊娠中から大切に大切に育ててきたことを伝え、ノートを見せてあげられたらと思っています。

文/浜松医療センター 助産師 八木あずさ

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