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カンガルーケアのこと 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやき暑かった夏も過ぎ、朝晩はすっかり涼しくなってきました。秋のおとずれを感じますね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

私は今NICUに所属しています。にやーと笑ったと思ったらぎゃーっと急に泣き出したり、毎日赤ちゃんが見せてくれる様々な表情に癒されています。NICUには、黄疸や感染症、早産児、低出生体重児、染色体異常児など様々な疾患の赤ちゃんが治療を行うために入院しています。赤ちゃんがNICUに入院するとお母さんとは別々の生活を余儀なくされます(母子分離状態といいます)。短期で退院できる赤ちゃんもいますが、長期入院のため、お母さんが病院を退院した後もNICUへ通い続ける必要がある場合もあります。会えないとどうしているかなあ、泣いていないかな。会うとほっとしているお母さん達。赤ちゃんに話しかけたりしてくれる方もいます。さまざまな形で赤ちゃんとコミュニケーションをとることが出来ます。今回はそのコミュニケーションのひとつとして、30年ほど前より急速に普及したカンガルーケアについてつぶやきたいと思います。

カンガルーケアはお母さんやお父さんが椅子に座り、背もたれを少し倒しリラックスした状態で行います。ご両親のどちらかの裸の胸の近くか、胸の間にやさしく腹ばいに寝させてあげます。その時に赤ちゃんの背中やお尻を包み込む様に両手を置いて滑り落ちないように注意しましょう。おっぱいを飲みたそうにしているのであればくわえさせてもいいですし、眠っているようであればゆっくり過ごしていただきます。

赤ちゃんとママカンガルーケアの効果については、どのような赤ちゃんにおいても、保温、母乳栄養、母と子の絆形成のために好影響だといわれています。カンガルーケアをし、赤ちゃんに触れると、わが子の温かさや成長に驚かれる方が多いです。NICUでも赤ちゃんの状態が落ち着いてくればカンガルーケアを実施することができます。興味がある方はスタッフへ聞いてください。赤ちゃんと目を合わせ早期からコミュニケーションをとることで、赤ちゃんにとってそれが自然と発達・発育につながっていきます。

NICUに赤ちゃんが入院したお母さんにお話しを伺うと、「どの位会いに来てもいいですか。」や「私に何かできることはありますか。」という質問をよくされます。NICUは閉鎖的な空間であり、お母さんにとってはどこか近づきにくい雰囲気もあります。また赤ちゃんが治療をしているのを見るとつい自分のせいではないかと苦しくなって会いにくるのが億劫になったりします。それでも会いにきてくださるお母さん達。お母さん達が思う頻度で会いたいなあと思ったら思うまま会いに来てほしいと思います。赤ちゃんに触れられるようなら優しく包み込む様に触れ、泣いていて抱っこできる状態であれば抱っこしてあやし、おしゃぶりをくわえさせたり、にやーと笑ったら話かけてください。そのどれもが赤ちゃんには伝わっています。ご家族がNICUに通い、赤ちゃんと接することでこんなことしてあげたいな、と思うままにできる範囲でしてあげていただきたいです。また、何かしたいけど何ができるかわからない、という時はスタッフへ聞いてください。赤ちゃんとご家族にとって一番いい方法を一緒に考えていけたらと思います。

文/浜松医療センター 助産師 阿部真子

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