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「受援力(じゅえんりょく)」について 助産師たちのつぶやき

助産師たちのつぶやきさわやかな秋風が吹く季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?行楽シーズン到来!と喜びたいところですが、まだまだ新型コロナウイルスの流行は収まらず、気の抜けない日々ですね。まだしばらくは我慢を強いられるかと思いますが、『出来ないことを嘆くより、今、出来ることを楽しもう!』の精神で頑張っていきましょう。

さて、今日は「受援力(じゅえんりょく)」についてお話させて頂きたいと思います。皆さんは「受援力」という言葉を聞いたことがありますか?「受援力」とは自分に必要な助けが何かを人に伝え、支援を受けるという力です。簡単にいえば、困った時に助けてと言える力ですね。最近では、子どもが生きていく上で最も大切な力だとも言われています。あなたは自分が困った時に誰かに「助けて」と素直に言うことができますか?日本人はこれがとても苦手だと言われています。それはどうしてでしょうか?

日本では、小さいころから親に「人に迷惑をかけてはいけない」と教えられて育ちます。そのため誰かに助けを求めることを、申し訳ない・恥ずかしいと考える人が多いのです。また、自分で問題を解決できない=能力の低い人間だと周りから思われたくない、自分でも思いたくないという気持ちが強いと言われています。

最近は女性の社会進出が進み、仕事を通じて自分で判断し、対応するという経験を積み重ねてから出産をする人がほとんどです。その影響もあってか、初めての出産や育児で不安や心配事がたくさんあるのに、自分で何とかしようと思い人に聞いたり助けを求めたりしないママが増えていると言われています。

「人に迷惑をかけない子に育てたい」と思う親の多くが、子育てにおいても「周りに助けを求めず、自分で何とかしなければならない」と思っている傾向があります。真面目でしっかり者のママほど、自分で何とかしようと頑張りすぎてしまうもの。そして、自分で自分を追い込んでしまいがちです。

助け合いながら

日々の暮らしの中で周りに頼らず、なんでも「自分でやらなくては!」と頑張り続けることはとても大変なことです。どんどん心も体も疲弊していって、気が付けば子どもに笑顔を向ける余裕すらなくなってしまうかもしれません。周りの人に「助けて」と言える力=受援力は、すべての人にとって、とても大切なものであり、特に育児、家事、仕事と忙しい毎日を送る親こそが、最も備えたい力なのです。

では、どうすれば上手に助けを求められるようになるでしょうか?それは、恥ずかしいとか申し訳ないとかという気持ちを捨てて、素直に「助けてほしい」と言えるようになることに尽きます。そして助けを求めるときは、どのように「助けてほしい」のかを具体的に相手に伝える必要があります。例えば旦那さんに「家事を手伝って欲しい」と伝えたとします。旦那さんは上手に家事を手伝ってくれると思いますか?答えはNOです。相手があなたの気持ちや状況を汲み取って上手に助けてくれるはず、なんて期待するのはやめましょう。相手に丸投げするのではなく、「いつ、何を、どうして欲しいのか」を具体的にあなたが考えて、それをお願いするのです。そして、完璧でなくても相手が少しでも助けてくれたら、きちんと感謝の気持ちを伝えることが大切です。

まずは練習だと思って、身近な人に小さな事をお願いすることから始めてみませんか?少しずつ「人に頼る」ことへのハードルを下げていけたら、お友だちや職場の同僚にもきっと上手に頼ることができるようになると思います。もちろん、誰かに頼られた時には自分の出来る範囲で気持ちよく助けてあげましょう。お互いが上手に助け合っていけたら、もっと生きやすい世の中になると思います。

そして、そんな親の背中を見せることで、小さいうちからお子さんが強くたくましく生きる力=受援力を育てていけたらいいですね。

文/浜松医療センター 助産師 葛綿優子

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