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しんせつなともだち
【おすすめの年齢:4~5歳くらい】
雪が降り、野も山もすっかり真っ白になった寒い冬のお話です。
ある日、子うさぎは、食べ物がなくなったので、家を出て食べ物をさがしに出かけました。雪が降る中、子うさぎは、緑色の上着と帽子をかぶって歩いていくと、かぶを2つ見つけました。子うさぎは、よろこんでひとつ食べ、もうひとつは残しました。
「ゆきが こんなに ふって、とてもさむい。ろばさんは、きっと たべものがないでしょう。このかぶを もっていって あげましょう」
といって残したかぶをろばの家に持って行きました。ろばは留守でしたが、子うさぎはそっとおいて帰りました。
ろばも食べ物をさがしに出かけていて、さがしてきたおいもを食べると、子うさぎと同じことを言って、届いたかぶをやぎさんの家に。
同じようにやぎさんから子じかさんの家に。
子じかさんから子うさぎの家に。
堂々めぐって、かぶは初めに見つけた子うさぎの家にもどってきました。
ぐっすり眠っていた子うさぎは、目をさまし、かぶがもどってきたとびっくりしましたが、
「ともだちが わざわざ もってきてくれたんだな」
と納得します。
この絵本は、はらはら、どきどき、わくわくするお話ではなく、とても静かなお話です。ひとつのかぶが、始めに見つけた子うさぎから友だちへまた次の友だちへと運ばれて、同じ気持ちでつながっていることを感じ、心がほっこりあたたかくなります。
でも、おとなの立場から子どもに読む時、とかく「自分だけでなく、お友だちのことも思えるやさしい気持ちをもって」というようなしつけ的になりがちです。読み終えたあと、読み手から子どもたちにどのように感じたか聞き出したり、おとなの考えを押し付けたりしないようにしたいものです。
読んであげれば、4~5歳くらいから聞けますが、子どもたちはそれぞれの感じ方をして楽しんでくれますよ。