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タコやん

【おすすめの年齢:5歳くらいから】

ある日、タコのタコやんが海からやってきて、しょうちゃんの家のドアをノックし、「あそびましよ」と言います。テレビゲームをしていたしょうちゃんは、タコとあそぶのはいやだなぁ、と思って断りますが、タコやんはぺちゃんこになって、ヌルリンチョとドアの隙間 から入ってきてしまいます。そして、8本足でコントローラーを操り、最高得点をたたき出します。「タコやん、すっげえ!」としょうちゃん がほめると、タコやんは、1本足で頭をかいて、「それほどでも」と、照れました。

それから、しょうちゃんとタコやんが公園へ行くと、友達がサッカーをしていたので、仲間に入れてもらおうとします。最初、タコやんは「タコはダメ」と断られてしまいますが、しょうちゃんの後押しもあって、キーパーをやるという条件で仲間に入れてもらうことに。そして、ここでもタコやんは8本足を使ってどんなボールも受け止めるなど大活躍、みんなからほめられます。

その後はみんなでかくれんぼです。からだの形や色を変えられるタコやんは、かくれんぼも上手です。みんながタコやんを探していると、でっかい犬をつれたちっちゃいおじさんが公園へやってきて、犬のトレーニングをするから、と子どもたちを追い出そうとします。さて、タコやんたちはこのピンチを切り抜けることができるでしょうか。

「タコやん、すっげえ!」「それほどでも」のやり取りが繰り返されることで、しょうちゃん達の素直なおどろきとタコやんへの賞賛、そして、ほめられて照れるタコやんの姿をより印象深く読者に伝えてくれています。何度ほめられても1本足で頭をかくタコやんに、思わず親しみを感じてしまう読者も多いのでは?また、タコやんが歩く「ノタコラペタコラ」や、ドアをたたく「ステテンテン」など、日ごろ、なかなか出会わない擬態語や擬音語が、より一層、聞く楽しさを味わせてくれる物語となっています。

表紙には、サッカーボールを持って少し得意げな表情でこちらを見ているタコやん。何かごいことをやってくれそうであり、物語への興味を誘います。絵は柔らかいタッチで描かれていて、こわい存在であるおじさんと犬もコミカルな雰囲気を醸し出しています。裏表紙で、防波堤に座り海を眺めるしょうちゃんは何を想っているのでしょうか。タコやんの魅力あふれる物語、ぜひ読んでみてください。

 

紹介した絵本

文/浜松市立中央図書館 高橋紗知子

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