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ラチとらいおん

入園・入学・進級の時期ですね。子どもたちは、新しい生活に期待と楽しみと共に、不安な気持ちを抱くことも多いかと思います。そんな子どもたちにエールを送る気持ちをこめて、心と体を寄り添って、読んであげたい絵本です。

ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ)
マレーク・ベロニカ
福音館書店
売り上げランキング: 6,848

ラチは、世界中でいちばん弱虫な男の子。犬も、暗い部屋も、それから友達さえ怖いので、みんなと遊んでもらえません。
そんなラチの前に、ある日、小さな赤いらいおんがやってきます。そのらいおんは、小さいけれど、強い!そしてラチを強くしてくれるといいます。
強くなるために、ふたりは毎朝体操をします。ラチが出かける時はらいおんをポケットの中に入れていきます。らいおんがいると思うと心強くて、ラチは怖いものを次々と克服していきます。そして友達もできました。
ところが、ふと気がつくと、らいおんがポケットにいません。急いで家に帰ると、「ラチくんへ」とらいおんの手紙が置いてありました。

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とにかく、小さな赤いらいおんが可愛い!(特に、体操の場面が、私は大好きです。)
最後のらいおんの手紙はホロリとしますが、希望があり、悲しいだけの別れではありません。

この絵本の世界で、子どもたちは、ラチに共感しつつ、らいおんの存在とラチの変化に励まされていることでしょう。
誰にでも不安や恐怖の気持ちがあります。強くなって、それらを克服したいと思っています。
大人になった私も「らいおんがほしいなぁ」と思うコトに時々出くわします。
大人よりも未知なことや新しいことに直面することの多い子どもたちにとっては、「強くなりたい!」は、もっと切実な願いだと思います。らいおんの存在も。

タテ16cm×ヨコ23cmの小さな絵本です。
でも、らいおん同様、小さくても子どもたちの強い味方になってくれることでしょう。

文/仲山るみ

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