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むぎばたけ

「むぎばたけ」
福音館書店
アリスン・アトリー 作
矢川澄子 訳
片山健 絵

むぎばたけ

ハリネズミが主人公の絵本は、好きなものが多いのですが、物語、日本語、絵と3拍子そろった、私のオススメは、この『むぎばたけ』です。
3者が響き合い、なつかしく、心地よいリズムにのってお話が進みます。
かぐわしい夏の夕べ、月夜の冒険にくり出すハリネズミにノウサギのジャックじいさんとカワネズミの一行。麦の伸びるところを見に出かけるのです。
「夜のしずけさをついて、そのおびただしいムギの穂の、さやさやといううつくしい音楽がこちらにまでつたわってきました。」という文の次のページ、見開きいっぱいに水彩でのびやかに描かれた文字なしの画面。絵が物語を語り、麦の穂のかすかなそよぎの音までも聞こえてくるようです。

また、ハリネズミの鼻歌がいいですよ。実は私も時々旅人をきどって歌わせてもらっています。
「お月さんのランプに
お星さんのロウソク
夜ごとはるばる
さまよう おいら」

ハリネズミを先頭に、野道を楽しそうに2本足で歩いて行く3人組の後ろについて、この歌を口ずさみながらいっしょに出かけてみたくなるでしょう。きっと。

そして、アリスン・アトリー、矢川澄子、片山健の他の本にも手を伸ばすきっかけになれたら、うれしいです。

文/村上節子さん

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