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ビッグ・オーとの出会い(続ぼくを探しに)
ビッグ・オーとの出会い
(続ぼくを探しに)
シェル・シルヴァスタイン(著)
倉橋由美子(訳)
「かけらはひとりで坐っていた
誰かがやってきてどこかへ連れていってくれないかと待ちながら」
三角のかけらは、自分に合いそうな相手が来るたびに自分をアピールし、はまってみます。
。。。けれど、次々いろんな相手が来るけど、どれもこれも何かが違う。
かけらが最後に出会った理想の相手は、大きくて欠けたところのないビッグオー。
「君となら転がれそうだ」と言うかけらに、「君のはまるところなんてないんだよ。ぼくと一緒に転がるのは無理だ」というビッグオー。
そして「君ひとりなら転がっていけるかもしれない」と言います。
「ぼくひとりで?かけらはひとりじゃ転がれないんだ」
「やってみたことはあるの?」
「角がとがってるよ。転がるようにはできてないんだ」
「角はとれて、まるくなるものさ」
そして、去っていくビッグオー。
かけらはしばらく坐っていたけれど、そのうち体を持ち上げて、パタン、パタンと進み始めます。
そのうち。。。
ビッグオーの言葉や、かけらの行動が、
この本を手に取った人の背中をやさしく押してくれます。
シンプルな黒の線で描かれた
とてもしゃれていて、どこかユーモラスな絵。
幼稚園くらいから大人まで一緒に楽しめて、
それぞれが何かに気付き、心が晴れるとても魅力的な絵本です。
文/吉田よしのさん