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絵本笑介 「いない いない ばあ」 その3

いない いない ばあ「いない いない ばあ」
 さく/松谷みよ子
 え/瀬川康男
 童心社

さて、「いない いない ばあ」の法則って何でしょう?
人間の脳は誕生後も成長を続けますが、手足が成長するのとは違い、感覚や記憶のための回路を形成していきます。つまり後天的に経験する脳への刺激が成長を促すわけです。

「いない いな~い・・・」でお母さんの顔が隠されます。
「ばあ!」で笑顔のお母さんが見えます。

私たちの脳を考える部分は知的な問題解決を楽しむように、視覚システムには隠れた部分を見つけ出すのを楽しんでいるらしい、ということを神経科学者たちが“Scientific American Mind”で述べています。「進化は、最終的な“そうか!”という認識だけではなく、隠れたものを見つけ出そうとする行為自体を楽しいものにしている・・・探索をあきらめさせないためだ」とあります。

このことを、「いない いない ばあ」の法則と言うそうです。
この説明にはシャワーカーテンの後ろから美しい女性の顔と右腕と肩の一部だけ見えていて、
透けそうで透けて見えない残りのボディが写っています。男性諸君にはヨダレの出そうな写真です。(失礼)。心理的にじらしたり、少しずつヒントを出すとか、好奇心を刺激するとか、そういう隠れた部分を探索してより完全なところへ到達しようとする働きかけが脳の成長を刺激するそうです。

【発達心理学の概念を用いて言えば、いないいないばあを喜ぶのは、個人差はあるものの、自我が芽生え自己と他者の分離が始まる生後6か月以降の赤ちゃんである。いないいないばあをしている相手を他社として認識し「いないいない」という一時的な分離から再開を予期したあとに「ばあ」と予期どおりに再会が叶うことに喜びや興奮を感じているものと思われる。・・・(Wikipedia より抜粋)】

ということは、いないいないばあという行為は、赤ちゃんの成長にとって重要な働きかけになるわけです。当然「いない いない ばあ」を読んであげる行為もこれにあたると考えます。ばあと出てくるのはお母さんの笑顔ではありませんが、お母さんのやさしい声とやさしいまなざしの絵が感覚に響きます。

隠れた部分を見つけ出すのを楽しんでいる、ことを「もりのかくれんぼう」や「なにしてる なにしてる」の絵本でも子どもの反応に見取る事ができます。小説にしても音楽にしても絵画にしても、つまり見えない非視覚的部分に(たとえば文章と文章の間、♪と♪の間、絵に隠されたメッセージ)読み手の?とそれを探る楽しみ、更に探り出した「そうか!」の体験を楽しむことが成長になるわけですね。

ではもし「いないいないばあ」を読んでもらうことも遊ぶ行為もなく育てられたら・・・またはいないいないばあの顔が怒っていたら(つまり期待や予想と反することが繰り返されたら)・・・シャワーカーテンがぱっと開いてしまった(ワクワク)、あっ、見えてしまった。でも男性だった!!お~怖!あ、失礼。

いないいないばあ、のお母さんの語りかけと笑顔は赤ちゃんの心に安心と安全を刷り込む、自立への成長の土台作りになります。子どもの遊びは「いない いない ばあ」から「もういいかい?まあだだよ。」に成長していきます。

「ばあ」とすぐ目の前に現れるお母さんが、「もういいかい?まあだだよ」と遠くにいってしまう、すぐ現れてくれないけれど、「もういいよ」までじっと待っていられるでしょうか?すぐお母さんを探さずにいられないことを、“分離の不安”といったりします。待っていられる子には心の中にしっかりと安心と安全のお母さんがいますから、今目の前にいなくても大丈夫なのです。

赤ちゃんが「いない いない ばあ」が好きなのはお母さんが大好きだからです。

引きつづき「絵本笑介」をお楽しみに。

「いないいないばあ」<><><

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