「かみひこうき」
　　　小林　実　ぶん
　　　林　明子　え
　　　福音館書店（かがくのとも傑作集）


秋の足音が聞こえてきましたね。
まだまだ外で遊びたい時期には、こんな絵本と一緒に
紙飛行機で楽しく遊んでみませんか？

ページをめくると、いろんな形の紙飛行機が並んでいます。
次に、それぞれの飛行機の飛び方が言葉少なに、大きな絵と共に書かれています。
今度は、折り方。
よくある折り紙の本とは違いこの本では、既に作られた紙飛行機を順に広げて行き、折り方を考えさせます。
この絵が写実的で、本当にわかりやすい！

折ったときの重心も実は大事。
バランスよく折れていないと、どんなにきれいに折ったつもりでも遠くまで飛ばないんですよね。
そんな重心やバランスのことなども、ちゃんと書いてあります。
さらに紙飛行機を切ったり、重ねたり、下向きに飛ばしたり…
紙飛行機の研究はつきません。

ああ、昔やったなあと思ったそこの大人の皆さん、ぜひ、近くの子どもたちにやらせてください。
作者によると、彼らは「かみひこうきのぱいろっと」であるのですから。

ちなみに、この本の絵を手がけた林明子さんは赤ちゃん絵本の『おつきさま　こんばんは』の作者としておなじみだと思います。
作家だけでなく、画家を追いかけて絵本探しをするのも楽しいかもしれませんよ。

文／福田真理子さん