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こすずめのぼうけん

こすずめのぼうけん  こすずめのぼうけん
  ルース・エインズ・ワース 作
  石井 桃子 訳
  福音館書店


こすずめに やわらかい ちゃいろの はねが はえ、
つばさを ぱたぱた させることが できるようになると、
おかあさんすずめが、 とびかたを おしえはじめました。
こすずめが むねを そらせ はねを ぱたぱたと やって、
さっと まえへ とびたちました。
「ぼく ひとりで、 せかいじゅうを みて こられる」
そういって、 こすずめは、 はねを ぱたぱた うごかしました。

書店の絵本コーナーをのぞきに行ったとき、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた若いお父さんとお母さんが、わが子のために絵本選びをしていた。そんな二人の会話が耳に入ってきた。
「これ知ってる。私も読んだよ。」と、懐かしそうにお母さんが一冊の本を手に取りお父さんに手渡した。
「俺は読んだ覚えがないな。」と、パラパラと中身を見たお父さんの「これ、まだ早くないか?」の言葉に「大丈夫だよ。これにしようよ。」のお母さんの声。
(そうだよ。その本がいいよ。この子もきっと懐かしい本になるから。)と私も心の中で言った。
この赤ちゃんが、これから先、たくさんの本と出会うであろう、初めの一歩を見た瞬間だった。

こちらのこすずめちゃんの飛び立ちは、まだまだ先のこと。
我が家のこすずめは今、羽をぱたぱたと動かして、大空に飛び出そうとしている。
いや、もう飛び立ったのかもしれない。悩んだり、怒ったり、泣いたり、そして笑ったりと、自分の力でなんとかしようと、ぱたぱた、ぱたぱたと羽を動かしているようだ。
それでも時々、「ちょっと話しを聞いて欲しいんだけど。」と言ってくる。
そんなとき、おかあさんすずめの言葉が頭に浮かぶ。

「わたしの せなかに おのり  いえまで おぶって いって あげるから」

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