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おつきさまこんばんは

おつきさまが登場する絵本はいろいろありますが、この絵本は、幼い子どもたちがはじめて「月」に出会うことができる、おすすめの1冊です。
毎日の身のまわりの題材(たべもの、あそび、おふろ等)は、良い赤ちゃん絵本の条件のひとつですが、この絵本はステップアップして、身のまわりから少しはなれた、おつきさまが題材になっています。「月」がどのようなものかという認識がなくても楽しめますが、1歳半~2歳くらいなら興味を持って聞けます。特に、秋の十五夜のころの黄色くて大きな満月を実際に見せてあげると、この絵本のおつきさまが身近に感じられ、さらに楽しむことができるでしょう。

夜になって空が暗くなり、おつきさまがあがってきます。まんまる顔のおつきさまが、ぽっかり空に現れて「おつきさまこんばんは」とあいさつをすると、どこからか黒い雲が流れてきておつさまをかくしてしまいます。そのうち、雲が去っていき、最後のページでは、うれしそうなにっこり笑ったおつさまが現れます。
ただこれだけの単純なストーリーですが、短いお話のなかで起承転結をきちんとふんでいて、ハッピーエンドで終わっています。さらに幼い子どもたちを喜ばせてくれるのが、裏表紙の舌をべぇと出したおちゃめなおつきさまの顔です。おはなし会などで読み終えたあと、この絵を見せると、思わず舌をペロッと出して真似をする子が多いですね。
子どもは生まれつき人の顔を見ることが大好きで、その表情を見て感じる感受性が強いのだそうです。この絵本のおつきさまも目を閉じて静かにしている顔、目を見開いて澄ましている顔、眉間を寄せて困った顔、にこにこのうれしい顔とそのひとつひとつの表情が子どもたちをひきつけているのですね。
わが家の3歳の孫もこの絵本が大好きで、暗くなると高い空を見上げて月をさがします。「きょうはおつきさま出てないねぇ」と私がいうと「くもさん、きょうはおはなしながいね」と答えてくれます。この絵本のお話をちゃんと覚えてくれていたんだなと、私はほっこりうれしくなります。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん

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