むかしあるところに子どものいない夫婦がいました。観音様に子どもが授かるよう毎日お願いしたところ、「願いをかなえるが、生まれた子どもの頭に鉢をかぶせ、はずしてはならない。そうすれば子どもは幸せになる」というお告げが。夫婦は生まれた子どもに鉢をかぶせ、決して脱がせないことにしました。その子はすくすくと育ちましたが、鉢のせいで近所の子どもにいじめられ、13才のとき母親が亡くなると、やってきた継母にもひどい仕打ちを受けます。様々な苦難の中、鉢をかぶった娘はその後―

はちかづきひめ (こどものとも絵本)

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というあらすじを見ると、どこかで聞いたような？という方もいらっしゃるのではないでしょうか？継母にいじめられた娘が幸福になるという、この「はちかづきひめ」の物語は、「日本版シンデレラ物語」のようです。
シンデレラと同じならオチは結局こうなるんでしょ？と思われるかもしれませんが、そういう方こそ、ぜひ読んでみてください！最初は、はちかづきひめがどうなってしまうのかドキドキし、辛い思いをするときは一緒に悲しみ、幸せになったら一緒に喜びホッとします。日本のお話の美しさやおもしろさを改めて感じる、このとても素敵なお姫さまのお話を、ぜひ、お子さんと一緒に楽しんでいただきたいと思います。

文／浜松市立天竜図書館　今ヶ瀬久美さん