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こぐまのくまくん

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絵本には、子育てのお手本にしたい素敵なお母さんやお父さんがたくさん登場します。

この「こぐまのくまくん」のおかあさんもとても素敵なおかあさんです。子育てをしているとき、こんなふうに余裕があって、貫禄があって、ユーモアのセンスにあふれたお母さんになりたい!と、読むたびに思いました。

この絵本にはこぐまのくまくんが主人公の4つのお話が入っています。

E.H.ミナリック
福音館書店
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第1話では、ある雪の降る寒い日、くまくんは「さむいよう」と、おかあさんに着るものをねだります。はじめはぼうし、次にオーバー、そしてズボン。それでも寒いと言うくまくんにおかあさんは言います。「おまえは、ぼうしをかぶって、オーバーをきて、ズボンをはいているのよ。このうえなにがほしいの?けがわのマントでもほしいっていうの?」

「うん。ぼく、けがわのマントがほしい」と言ったくまくんに、さて、おかあさんはどうしたでしょう?この結末に、きょとんとする子、ニヤッと笑う子、聞き手の子どもたちのそれぞれの反応も楽しめます。

第2話はくまくんのお誕生日のお話です。おかあさんがいないと思ったくまくんは、自分でバースデースープを作ります。でも、結末にうれしいサプライズが待っています。読んでもらっている子どもも、そのサプライズに思わずにっこり。

第3話では、くまくんは宇宙帽をかぶって月旅行にでかけます。月に行ったつもりのくまくんとそれにちゃんと合わせてあげるおかあさんとの絶妙なやりとりが愉快です。くまくんの行動と会話には、空想と現実の世界を容易に行き来できるこの時期の子ども特有の世界観が遺憾なく発揮されています。それにも注目したいですね。

第4話は「くまくんのねがいごと」です。なかなかねむれないくまくんは、おかあさんにたくさんのねがいごとを語りますが、どれも「それは、とてもむりなねがいごとねえ」と軽くいなされてしまいます。でも、くまくんは最後に、本当にしてほしかったねがいごとをちゃんとおかあさんにかなえてもらいます。そしてお返しに、くまくんもおかあさんのねがいごとをかなえてあげるのです。

絵本というより、読み聞かせをたっぷりしてもらって、挿絵が少なくてもお話が楽しめる頃になったら読んであげたい童話です。


文/子どもと絵本ネットワークルピナス代表  松本なお子さん

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