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いやいやえん
保育園や幼稚園に通い始めると、集団生活が始まりますね。みんなと一緒に、仲良く決まりを守って過ごすことに、すぐに慣れる子もいますが、そうでない子にとっては、おうちのほうがいいな~なんて思ってしまうかも。
福音館書店
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この本の主人公は「しげる」。「ちゅーりっぷほいくえん」ばらぐみの4歳です。色々なことに興味をもつしげるは、先生の言うことをきかなかったり、決まりをまもらなかったりします。そんなしげるを中心にし、7つのおはなしが入った本です。表題の「いやいやえん」は、なんでもいやだと反発するしげるが、「ちゅーりっぷほいくえん」の代わりに行くように言われた保育園。この保育園は、おともだちのおもちゃを勝手に取っても返さなくていいし、嫌いな食べ物は食べなくていいのです。しげるの気持ちになっておはなしをきく子どもも、きっと「いやいやえん」のほうが居心地いいのかもと思うかもしれません。でも、おはなしの終わりまできくと…どうでしょうか。
また、「山のぼり」は、遠足のおはなし。途中でしげるはみんなの列を外れ、くだものがなっている山へ行き、たくさんのくだものを食べ続けます。くだものは山ごとに違う種類で、たくさん育っていますので、読んでいる大人まで「おいしそう」としげるに共感してしまうかもしれません。しかし、山には鬼がいて、しげると出会います。そのあとはどうなるでしょうか…。
そのほかにも、年上のクラスの子と一緒に船で楽しい冒険をしたり、はらぺこおおかみがきたりとワクワクドキドキのおはなしがあります。保育園での勤務の経験を持っている著者ですので、子どもたちの会話がリアルで魅力的です。
このように、しげるが代わりに様々な冒険をしてくれますので、お子さんもしげるの気持ちになってお話を楽しむと思います。ひとつずつお子さんに読み聞かせてみてください。園への楽しい気持ちが育つかもしれませんね。でも、読み終わったあとに「あなたも決まりを守ろうね」などと言うのはおさえて、親子でおはなしの世界を素直にたっぷりと楽しみましょう。
文/浜松市立城北図書館 池川里果