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こすずめのぼうけん

一羽のこすずめが主人公の幼児向け物語絵本です。読んであげれば3~4歳くらいから楽しめます。

やわらかい茶色の羽がはえ、つばさをぱたぱたさせることができるようになった、こすずめは、ある日、おかあさんすずめに飛び方を教えてもらいます。きづたのつるの中にできた巣から、生まれて初めて空中に飛ぶ練習です。こすずめは、おかあさんすずめに言われたとおり、頭をうしろにそらせ羽をぱたぱたさせて飛び立つと、ちゃんと空中にうかびました!

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おかあさんすずめが、
「・・いしがきのうえまでいったら、きょうのおけいこは、それでおしまい」
といったのに、こすずめは、初めて空中に飛べたことがうれしくて、もっともっと遠くへ行ける、世界中を見てこられると、羽をもっと速くぱたぱた動かして、いしがきをこえて飛んで行ってしまいます。

ところが、こすずめは、だんだん羽は痛く、頭も痛くなってきました。どこかで休もうと巣を見つけて、その住人に頼むのですが、「・・なかまじゃないから・・」と巣に入れてもらえません。からす、やまばと、ふくろう、かもに次々と断られ、こすずめは、くたびれて飛ぶことができなくなってしまいます。夕方、暗くなりはじめ、ぴょんぴょん地面を歩いていると、こすずめを探していたおかあさんすずめに会うことができました。

かつて、私が勤めていた図書館のお話し会でこの絵本を読んだ時、4歳くらいの男の子とおかあさんが一緒に聞いていました。いろいろな鳥に次々と断られる場面が続き、男の子は神妙な顔をしていましたが、おかあさんすずめの、「もちろん なかまですとも」ということばを聞いたとたん、隣のおかあさんと顔を見合わせて、にこっと笑顔を交わしていたのを思い出します。

おかあさんすずめは、
「だから言ったでしょ!」なんていう言葉は決して言わないで、こすずめを巣に連れて帰り、温かいつばさの下に眠らせます。読み終えた時の親子の満足そうな顔が忘れられません。

子どもたちは、3~4歳くらいになると、何でも自分でできる!もっともっと外のことを知りたい!と、親から離れて挑戦したくなります。でも実際には、危険な目にあったり、困難に立ち向かわなくてはならない時があるかもしれません。子どもたちの成長に合わせて、どうぞ、このようなお話しをくりかえし読んであげてください。子どもたちは、主人公と一緒になっていろいろな体験をし、社会を知っていくことでしょう。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん

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