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ピーターのいす
ピーターという名前の、4・5歳くらいの外国の男の子が主人公のお話です。
ピーターの家族は、お父さん、お母さん、ピーター、生まれたばかりの赤ちゃん、スージーの4人と犬のウィリーです。
赤ちゃんのスージーは女の子で、ピーターの妹として家族になったばかり。ピーターはお兄ちゃんになったばかり。ピーターがいつものように、つみきを積み上げてビルを作り、一番上におもちゃのわにをおいたとたん、つみきは、がしゃん!と音をたててこわれました。すると「しいーっ」とおかあさんの声がして静かに遊ぶように注意されます。スージーの部屋をのぞくと、お母さんはゆりかごのまわりで大忙し。
ピーターが赤ちゃんだった時に使っていた、ゆりかごはピンク色になっていて、お父さんはピーターが使っていた食堂椅子をピンク色のペンキを塗っています。赤ちゃんベッドも、もうピンク色。
妹が登場したことにより、今までの生活のまわりが変わってしまい、ピーターはおもしろくありません。ピーターは、まだピンクに塗られていない小さいころ使っていた小さな椅子を見つけました。そこで、その椅子とお気に入りのものを持って、犬のウィリーといっしょに家の外に出て、窓の下に家出しました。ところが、ピーターは椅子に座わろうとしておしりが入らないことがわかり、自分が大きくなったことを自覚します。お母さんが、窓から声をかけてきても知らん顔したものの、お母さんにいたずらをして愉快になったピーター。ピーターは気持ちを取り直して、お父さんとふたりで妹のスージーのために、小さな椅子をピンク色のペンキで塗ります。
弟や妹が生まれてお兄ちゃんやお姉ちゃんになったばかりの子どもたちは、嫉妬心や寂しさを感じて、親にも反抗の態度をとりますが、何とか自分の心の中で葛藤しながらお兄ちゃんらしく、お姉ちゃんらしくなっていくものなのですね。まわりの大人も「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだからしっかりね!」などと強制しないで、自覚しようとする子どもたちの気持ちを見守り、きちんと向き合って接したいものです。
主人公ピーターのお話は、「ピーターのくちぶえ」「ピーターのてがみ」「ピーターのめがね」があり、子どもの成長に合わせて楽しむことができます。
文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん