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『天災と国防』

物理学者であり、随筆家である著者の、防災に関するものを再編集して作られた本です。かの有名な「天災は、忘れた頃にやってくる」ということばは、著者である寺田寅彦氏の言葉であると聞き、この本を手に取ってみました。

天災と国防 (講談社学術文庫)
寺田 寅彦
講談社
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昭和初期に書かれたものですが、現在の防災講座で聞くような内容となっていて、少し驚きました。例えば、災害などの悪い記憶を忘れがちであるということ、文明が進めば進むほど災害の被害の度が増す傾向にあることを指摘し、学校や家庭で、児童に防災教育を行う必要性があることを書いています。

 

この本には随筆が12本ありますが、その中には、昭和10年に起こった静岡地震について書かれた「静岡地震被害見学記」というものがあります。静岡地震とは、昭和10年7月11日17時24分頃、静岡県中部を震源としたマグニチュード6.4の地震です。著者は7月14日に被災地に入り、そのときの様子を書いています。神社の一角に子どもたちが集められた臨時の託児所のような場所が設営されている様子や、被害の様子などが詳しく書かれています。

他にも著者の関東大震災の体験など、今の防災・減災の考え方に通じることがたくさん書かれていますので、今も昔も変わらないことと、変わるべきところを考えながら読まれてはいかがでしょうか。

(わかば)

 

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