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くものすおやぶん とりものちょう

春、桜、お花見、この言葉が並ぶとわくわくしますよね。人間だけでなく、虫たちだって同じです。春爛漫虫の町、桜の花も真っ盛り。主人公はくものす親分こと、おにぐものあみぞうです。そうなのです、この虫の町の舞台は現代ではなくて岡っ引きがいるようなちょっと不思議な世界なのです。

おにぐものあみぞうは今日もはえとりのぴょんきちを連れて町の見回りをしています。2人がありがたやという花見団子も評判の甘いものを売る店の前を通りかかると、店の者が盗みの予告状がきたと助けを求めて来ました。その予告状には、「今夜 蔵の中のお菓子をちょうだいする かくればね」と、書いてありました。蔵の中には春祭りの為に用意したお菓子がたくさん入っています。盗まれたら大変です。そこで親分はのりのついたべたべたした蜘蛛の糸で蔵をすっかり覆いました。もう安心です。でも、本当に大丈夫でしょうか。

ここからが親分とぴょんきちの盗賊かくればねの大捕物が展開します。かくればねはその名の通り隠れるのがとてもうまいのです。かくればねは広いありがたやさんのお屋敷を隠れながら逃げ回ります。親分とぴょんきちは無事にかくればねを捕まえることができるのでしょうか。

文は現代の言葉というより時代劇で使われる言葉が使われていて、なんとも楽しいです。絵は細部まで丁寧にきちんと描かれていて、このお話の不思議な世界に何の抵抗も無く入り込めます。ページをめくるたび楽しくて、その上親分たちと一緒にかくればねを探すので大人も子どもも夢中になります。圧巻なのはありがたやさんのお屋敷や登場人物の様子、お菓子の色々、お花見の様子などが見事に描かれていている事です。

そして、最後は本当に心温まる結末になっています。私は最後が大好きです。春爛漫、桜、お花見、もう大満足です。心がうきうきする桜満開の時を、一風変わったこの本でたっぷり楽しんでくださいね。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 会員 山﨑貴子さん

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