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いちご

子どもたちは、いちごが大好き!

この絵本の表紙にも、真っ赤ないちごがたくさん描かれていて、表紙を見せただけで、「いちごだ!」と、うれしそうな声があがります。

ところが、読み始めると最初のページは地面に葉っぱしか出ていないし、枯れている葉も見えます。さらに次のページでは、寒い冬の雪の下にうもれてしまっています。子どもたちは、「えー!いちごはどこ?」と、不満そうな顔をします。

この絵本に描かれているいちごは、ビニールハウスの温室栽培ではなく、いわゆる路地物のいちごですね。畑など地面に植えられたいちごの苗は、寒い冬を耐え、暖かい春になると緑の葉っぱを増やして花のつぼみを作り、たくさんの花を咲かせて緑色の小さな実を作ります。それから、おひさまの日差しをあびて、緑色の実はだんだん大きく赤くなって甘いいちごになります。この絵本は、そんないちごの苗が成長する様子を丁寧な絵とともに、いちごを見守る子どもと、いちごたちの会話のやりとりですすめているお話です。

いよいよ赤くなったいちごたちが、あちらこちらから、「あまいですよ。さあ どうぞ」「さあ どうぞ」「さあ たべてください」と、歌うように声かけてきます。そして次のページで、洗って水滴がついた真っ赤ないちごが山盛り!

最後のページでは、「おいしそうな いちご、どうも ありがとう」「いただきます」と、ちゃんとお礼を言って、いちごを手にして子どもが満足そうな顔をしています。思わず、私もうれしくなります。

私の家にも、いくつかのプランターにいちごの苗が植えてあります。5月頃になると、小さいけれど真っ赤ないちごの実がなりますが、小さな孫も、わが家に来ると、時々プランターをのぞいては、「いちごできた?」「お水あげなくちゃね」といって、赤い実ができるのを、まだかまだかと待っています。

孫は、お店に並んでいる大きくて真っ赤ないちごを食べるのも大好きですが、わが家の小さな赤いいちごも大好きです。いちごの成長を楽しみに待って、いざ、真っ赤な実を見つけた時のうれしさは格別なようですね。

文/子どもと絵本ネットワーク ルピナス 副代表 島田洋子さん

紹介した絵本

いちご 著/平山 和子

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